2016年4月8日金曜日

湯気のある食卓

初めて立ち寄った中央区内の某スーパー、高級マンションやいかにも高そうな一軒家の並ぶそこではうちの近所とは随分と趣の異なった店内の設えと品揃えで場所が変わると「スーパー」とひと括りにしてしまう小売店もいろいろと違ってくるものだとつくづく感じた。

ゆったりとおしゃれで輸入品も多く、そしてどれもが高い、早生キャベツがなんと1個278円で売られていて驚いた、私が普段行くディスカウントストアなど早生キャベツは170円で、普通のキャベツは120円だというのに、うひー。

つやつやのフローリングの店内を歩いていると特設コーナーをみつけた、栄養のバランスに優れ、忙しい朝にもぴったりで、新学期や新入学の育ち盛りにも最適だというシリアルだ、お薦めの食べ方としてイチゴやバナナを添えたり少量の練乳を足すといったヒントの紹介もあった。

定番のフロストシュガーやブラウンシュガー、イチゴやチョコといったフレーバー、近年人気の高いグラノーラもあったようだ。

そうか、忙しい朝はこういったものが早くて便利なのは間違いない、アメリカ映画の朝食で寝ぼけた感じの子がテーブルに着いていきなり皿にシリアルを盛って牛乳をかけて食すというのは今までに何度も見たシーンである、子供の頃は「あのお菓子のようなものはなんだろう?」と不思議に思っていた食べ物、それがシリアルだったのだ。

だが、どうだろう、頭がカチカチの昭和生まれな私にとってはなんとも味気ない朝食にしか思えない、たとえレンジで温めたパックご飯と熱湯を注ぐだけのフリーズドライなインスタントの味噌汁に蓋を開けるだけの漬物といった組み合わせにしろ湯気のある食卓というのはそれだけでお腹が満たされるような感じで充実しているのだ、栄養面ではシリアルと牛乳には負けるかもしれないけれど。

だが驚くなかれ、シリアルか湯気のある食卓かという選択肢以外を選ぶ子らもいるという、それは「朝食抜き」、親が与えないわけではなく食欲がなかったり面倒臭かったりで自分の意志で朝食を食べないという子らなのだ。

私がそのくらいの年代だった頃は腹が減って早朝に目がさめてしまうことなどザラだったというのに・・・なので朝食抜きなど聞いただけで目眩がしそうである。

食べるのと食べないとでは昼間の活動に影響が出るという、何がどれくらいだと数値化されたデータを目にしたわけではないが、寝坊して朝食を抜かざるを得なかった日のことを思い出してみると確かに力が入らず体調がパッとしなかったのは確かである。

まあ、育ち盛りの10代のことではあるのだが。

正月のおせち料理に飽きたらカレーだ焼肉だと食べたくなるのと同じように、パンやシリアルに飽きたらレンジでチンのご飯とインスタントの味噌汁という朝食もなかなか良いですぞ。