2016年4月22日金曜日

傍若無人

全く以って呆れた話があるもので、熊本の被災地に於いて関西テレビの取材陣が乗った車が給油待ちの列と抗議の声を無視し、そこへ割り込んで我先にと給油をしたというではないか。

しかも、それはガソリンスタンドに預けていたテレビ局側が用意しておいた燃料入りのドラム缶を受け取りに行っただけのようだと釈明をする人物が登場したのだ。

「・・・のようだ」といった具合に直接の関係者ではない第三者からの視点で書いてはいるのだが、実はその人物とは第三者ではなく直接の関係者=テレビ局の関係者だったというお寒い顛末、火消しを目論んだ嘘の流布だったのだ。

一般市民からのネットでの抗議は割り込み給油をする現場を撮った画像入り、もう言い逃れはできないと観念したのか関西テレビは非を認め、そしてお詫び文をサイト上に掲載した。




さらには別のテレビ局も被災地の人々に迷惑をかけている、TBSのニュース番組が取材禁止を掲げる避難所から被災者の神経を逆なでする報道をしてしまったのだ、疲弊しきっている被災者の気持ちなどそっちのけで特定のボランティアとその活動の報道か宣伝のどちらかをしようとしたところで被災者に怒鳴られたのである。

傍若無人なテレビ局の取材には不愉快極まりない、そうでなくても陸路は限られていて貴重だというのに相当なスペースを占拠し価値のない報道に使うのである、そういった取材などはどこか代表でさせて各局で共有すれば良いではないか、こんな時に各局の視聴率やスタイルなどは邪魔なだけである、最も優先されるべきは被災地で苦しむ被災者のはずではないのか。

どんな状況かをわかっていながら「今のお気持ちは?」などと身内を亡くした人へマイクを向けたりするのには怒りすら覚える、ああいった仕事をしている人の中にはまともな神経と常識を持った人はいないのではないかと思い始めている。

取材も少しは遠慮しながらというのならまだ良いのだが、先に書いたテレビ局の取材陣にはそういった点がまるで無い。

この人たちは何をしにわざわざ九州まで来たのだろう?

どうせ来るのなら大きな取材用の車の中の空いた空間を利用して被災地へ届ける水や医薬品などを詰め込んで持って来てくれればいい、そして、帰る時には逆に避難所に溜まったごみを1袋でも持ち去ったりしてくれればいい。

・・・たぶん無理だろうとは思うが。

同情、そして支援だ復興だと口にするよりも先に、テレビ局を含めたマスコミは自らの姿勢を正すことから始めるべきだと思う。