2018年5月3日木曜日

既視感のある脱力系コメディ

Netflixで各話約21分というシリーズもののコメディドラマを見つけた、アメリカはニューヨークのブルックリンにある警察署「ブルックリン99分署」の刑事らを描いた一応の群像劇である、タイトルは「ブルックリン・ナイン-ナイン」、全編がいわゆる脱力系コメディとして作られているのでシリアスな展開などに気を揉むことなく楽しめるドラマである。

なのでひとつの事件を追って頭脳の力技で推理を働かせ命の危機と引き換えに犯人を追い詰める・・・といった展開こそが刑事ドラマの真髄だという人には向かないドラマだ、「クスクス」や「プッ」といった笑いがぴったりと言えばなんとなく分かってもらえると思う。

頼れるのか頼りないのか分からない面々の個性は強烈でそれだけでも楽しい、一言で表現するなら「ばかだなぁ」というところに落ち着く、だがそれがこのドラマの良いところ。

各話の時間が短いので見始めてから自動再生で一気にシーズン1の13話目に入ってしまった、いや、各話が短くとも13話となるとそれなりの時間ではあったけれど。

この生ぬるい展開は以前にどこかで見たような気がしてならなかったが、はたと気づけばやはりNetflixでのドラマだった、このブログにも登場した「ブル~ス一家は大暴走!」(2017年2月27日のブログ)である。

私は常々BGMの力を借りずとも見応え充分なドラマを好んで見ていた、それらは時に惨くも冷徹な展開がこの世のリアルさを描いているようで見入ってしまうのだ、たとえば優れた脚本とグレン・クローズとローズ・バーン、そしてゲストスターの演技が秀逸な「ダメージ」(2015年9月17日のブログ)や、オリジナルのデンマーク版のリメイクとなるアメリカ版「ザ・キリング」(2015年10月11日のブログ)などである。

映画だとスウェーデンの「ミレニアム」シリーズといったところか。

そういった作品からすると対極に位置するようなこの脱力系刑事ドラマは深く考えることなく見ていられる、物足りなさはあるけれど、その代わりと言ってはなんだがゴロ寝でゆったり寛げるのだ。

まあ、たまにはこんなドラマも良いものだと思う。