今日の福岡はかろうじて猛暑日には届かなかった、それでも35度ぎりぎりまで迫ったので体感的にはほとんど変わらない、だが、体が慣れたのか昼間の暑さでぐったり疲れるようなことは無くなった。
それでも夜の暑さはやはりきつい、たとえば同じ29度でも昼間なら「お、今日は涼しい」となるだろうが夜や明け方だと「なんだこの暑さは」と感じ方が違ってくる、昼間よりも湿度が高くなってしまうせいもあるとは思うけれど。
福岡都市部は他の九州各地と比べると気温が高い、ぬるま湯を抱えたような博多湾とヒートアイランド現象のせいである。
終日そんな具合なので食品などの腐敗も早い、味噌汁にしろカレーにしろ少量ずつ作って食べるか上手に保存しないとすぐに傷んでしまう。
用心している家庭内でもそうなのだから屋外ではなおのこと、夏場の屋外と食品など普段なら考えもしないのだが、今朝は仕事に行く途中でそんな落とし物(?)を見つけた、いや、気付いた。
なんと、通りの端に落ちていたレジ袋、その中には肉でも入っていたようで、それが腐ってとんでもないことになっていたのである、「この臭いはなんだろう」と気付いてからその落とし物の近くに寄るまで歩くスピードで30秒はかかったと思う、それだけ腐敗臭が遠くまで漂っていたのだ。
その通りの両脇は一般住宅で、朝早い時間なのでエアコン使用で窓を閉めきっていれば気付いていないのだろうけれど、すっかり夜が明けた時のことを考えると気の毒としか言いようがない。
仮にそこに落ちているものがドリンク剤のボトルなどであれば踏んで割れた時に危ないのでつま先でもっと壁際に寄せたりはするだろうが、幅の狭い帯状に液が漏れ出してハエが狂喜乱舞するそれは触るどころか近寄れない。
朝早くからギョッとしつつもギリギリまで離れて歩き、それでも真横では息を止めて足早に通り過ぎたのだった。
あの臭いは肉だと思う、魚ではない。
いつだったか暑い時期のお祭りで露店が中身の残った冷凍イカの箱を置き忘れたまま帰ってしまった時にやはり腐って大変なことになってしまった、今朝のそれはイカの時ほどではないにせよかなりのものだった。
そして仕事が終わっての帰宅時、同じ場所を通ると落し物そのものは無くなっていたが、漏れ出した液の跡が黒っぽく残っていた、日射しと風で乾いているようだったが臭いはまだ漂っていた。
それにしても早朝の落し物としては珍しいのではないか、状態からして前日の夜に誰かが落とし、暑い夜のうちに一気に腐敗したのであろう、もしそれがうちの近所ならば泣く泣く処理しようとするかもしれない。
そんなもしもの場合を想定して手順はどうしようなどと考えてみる、手袋や別のビニール袋を用意し、どうにかして袋に収めた後で・・・さて、回収後はどこへ捨てるのだ、家庭ごみの持ち出し日までどこかに置いておくのか・・・いや、そんなの無理だ。
などと、いろいろ考えるとゾッとする、想像だけでも体の調子がおかしくなりそうである。