一昨日書いたように今日は他界した友人の墓参りで2ヶ所を回った、駅と駅、バス停とバス停を結ぶ距離そのものはたいしたものではないが、待ち時間や乗り換え、最終的な目的地への徒歩にかかる時間などで朝早くに家を出て帰ってきたのは日も暮れようかという時刻だった。
思いの外疲れたのは歳のせいもあるのだと思う。
そんな一日だったので晩メシは何か作るのではなく近所の定食屋で済ませてきた、準備も後片付けも要らないのは今日のような日にはちょうど良い。
客はそれほど多くなかった、私は対面で2人掛けのテーブルに着いた、向かい側には4人掛けのテーブルがあり若そうな男女が向きあってメシを食っていた、見ているとこちらを向いている男性の箸さばきがなんだかおかしい、チョキチョキという感じでハサミを開閉するような挟みかたで食べている。
手の具合が悪いというわけでもなさそう、きっと長いことそういう箸の使い方をしているのだと思う。
親しくはないが面識のあるゲイの中にも2人ほど箸の使い方がおかしい人がいる、やはりチョキチョキでおかずを摘み上げるのだ、正しい使い方ができないのは不器用なようで、変な使い方でそれなりにメシを食えるのは逆に器用な感じもする。
ただ、丸みのある小さなものはさすがに摘みにくそうだった、たとえばラッキョウなど、コロコロと外してしまうのだ。
私が子供の頃は箸の使い方がおかしと家の恥だと言われて叱られながら何度も教え込まれたのだが、今ではうるさく言うほうがおかしいのだという認識なのだろうか、箸を正しく使えない子の親はどんな箸さばきなのだろう、ちょっと考えてしまった。
こちらに背を向けていた女性は見える限りでは正しい使い方をしていた、きっと相手の男性の箸さばきは変だと気付いているが特に言わないでいるのかもしれない、が、そのうち「ほら! そんな使い方だと小さなものは摘めないでしょ!」などと矯正してくれたらいいなと思う。
長年染み付いた箸の使い方は歳をとるほど矯正しにくくなる、なるべく早いうちのほうがよかろう、まだ今なら正しい使い方などあっさり身につくはず。