やはり猛暑日となってしまった今日、仕事の帰りは所用で地下鉄でJR博多駅まで移動し、そこから徒歩で堅粕まで行った、日陰になる側の鹿児島本線の高架に沿って歩き、途中から道が日の当たる側だけになっているので仕方なく合流しようとしたのだが、その付近ではいつ通ってもやはり見てしまう場所がある。
車に乗っていた頃もそうだった、狭い裏通りを通り抜けようとした時につい見てしまうアパートなのだ、2階建てのアパート。
全くおぞましい事件である、そこに見えるアパートに住んでいた女性が殺害後に遺体を切断され遺棄されたという事件がある、体の部位ごとに見つかった場所が異なるという事件は地元のみならず全国ニュースでも「福岡OL死体遺棄事件」として取り上げられた。
更に恐ろしいのはその事件がまだ未解決だということ、犯人は今もどこかで一般市民の中に平然と紛れているという事実には戦慄をも覚える。
毎日いろんなニュースが溢れていて、良い話も悪い話も次から次に流れてゆく、世の中が物騒になり凶悪な事件の話を知る機会も実に多い、いつしかそんな多くの中の事件に埋もれてしまい、この事件は人々の記憶から徐々に薄れようとしている。
あまり知られていないが日本各地にこういった未解決事件は存在し、そのどれもが不可解で、事件の説明に図解など無くテキストだけだとしても背筋が凍るほど恐ろしいものばかりである。
堅粕の目的地まで歩く途中、そのアパートの前を流れる御笠川に沿って博多湾から海風が吹いていた、この事件の被害者も暑い時期には窓辺からの風で涼んでいたのではないだろうか。
事件発生後既に6年が経過している、時間が経てば経つほど解決は難しいだろう、私はあの付近を通る度にまたあのアパートを見てしまい、この未解決事件を思い出して恐ろしく思うはずである。