2016年5月24日火曜日

街と雨とカエル

夕方から急に降り始めた雨、もっと間欠的に降るのかと思っていたが実は絶え間が無い、ベランダに置いてあるプラスチック製のバケツの底に僅かに雨水が溜まっていた。

日も暮れて暗くなり、しっかりとした雨の音に混じって聞こえるのは濡れたアスファルトを走る車の音、歩道の人の咳き込む声、そしてカエルの鳴き声。

干上がる心配の無い水の流れがあるわけでなし、そんな水辺に茂る草むらがあるわけでもなし、どこにカエルはいるのだろう。

「クー、クー」と鳴き始めは控えめだが、それに応呼するように他のカエルも鳴き始める、皆が揃うと遠くのセミのようでなかなか賑やか。

鳴き声からすると見慣れたニホンアマガエルだと思う、どこか小さな水溜りで命を繋いでいるのだと思う、でもそれがどこにあるのかはわからない。

都市部にあっても近所には緑もそこそこあり、見慣れぬ鳥や虫を見つけたりすることもよくあること、古い家屋にヘビ(アオダイショウ)が出たという話も知っている。

近くを交通量の多い車道があり、地下鉄が走り、福岡空港を離着陸する飛行機が轟音を響かせながら真上を行き来するこの地ながら、かわいい緑色のカエルはどこかこの近所に生きている。

たくましいものだと思う。

この先10日間の天気の予想を見てみると晴れマークが減って曇りと雨が目立ってきた、九州北部もいよいよ梅雨が迫ってきた、さらに、暖候期予想だと気温が高めで雨量の多い夏になるという。

当分はどこかこんな街の中のパラダイスから夜更けにカエルの鳴き声が響いてきそうである。