2016年5月2日月曜日

身体の不思議

実家町内には高校だけは市内の西と東で別だったが小・中学校はよく一緒に登校していた同級生がいる、今でも町内の集まり事では必ずと言ってよいほど顔を合わせる。

今日もそうだ、夕方のちょっとした集まりでしばらく話をした。

数年前に突然この同級生は体調を崩した、始りは軽い腹痛だった、同級生は腹の調子が悪いのだろうと近所のドラッグストアで薬を買って飲んだら治ったのでそれほど深刻に考えていなかったらしい。

だが、腹痛と下痢は頻発するようになり、次第に毎日続くようになった、病院で診てもらうと腸が明らかに炎症を起こしていたので薬を処方され飲み続けていた、ドラッグストアで買ったものとは違って効き目は良かったのだが治まることはなかった。

この体調の変化の原因はわからないらしい、何かあるのだろうけれど、それがはっきりとはわからないので根本的な治療方法もまたわからないそうである。

同級生は遠出もできなくなった、腹痛と日に何度も下痢をするので出掛けられないのである、体も疲れやすく、特に暑い時期はきつそうだった。

「長引く腸の炎症は他の病気のリスクが高くなります」と医者に言われて不安な毎日だったという、何をやっても回復しない体調は同級生を精神的に疲弊させていた、腸の炎症が更に進めば効果は高いが副作用も大きいステロイドを常用することになっていたらしい。

もしそれでも治まらず悪化するようなら外科的に切除という可能性まで示唆されたとか。

ところがである、長い膠着状態が続く中で日に数回の下痢は回数が減り、さらには下痢をしない日すら現れ、ついには数日に一度という状態になり、気がつけば週に一度になって再検査をしたところ腸の炎症はほとんど治まっていたという。

薬の効き目だったというには遅すぎるので、何が良くて腸の状態が良くなったのかは医者も解らないと不思議そうにしていたと言うではないか。

そして今、思い出したように月に一度くらいはお腹が幾分緩くなることはあっても腹痛と下痢は治まっているという、病院で薬を処方してもらうまで飲んでいた市販の薬の箱を見る度にこの数年は何だったのだろうと考えることがあるという、テレビで見た薬用酒のCMのように「男は8の倍数、女は7の倍数で体調の変化が訪れる」ということなのだろうかと本人は思っている。

まあ、具体的には46歳に入ってからの6年弱を苦しんだので、「8の倍数」と言えるほど狭い期間の出来事ではなく、あくまで8の倍数・・・を挟んだ前後に重なったということではあるが。

つまり、私は8の倍数うんぬんとは関係無いのだろうと思っている。

さて、同級生はこの連休を利用し明日から新幹線で大阪に遊びに行くという、今は普通に遠くへ出掛けられることが嬉しいと笑う。

うん、そうだ、確かにそうだ。

ある日調子が悪くなってゆく身体の不思議、そして、また徐々に元へと回復してゆく不思議、身体とは本当に不思議なものだと思う。

そして、さらなる悪化や他の病気を引き起こしたりせずに済んだ同級生は幸いなのである。