2016年5月20日金曜日

生き続ける口裂け女

帰宅後、郵便局へ簡易書留にて郵便を出そうと徒歩で向かう途中で小学校からドッと出て来る子供らと遭遇した、なんだか時刻がいつもより早いようだが下校時間のようだった。

子供らは校門から出て右へ左へ、そして距離は短いが横断歩道を渡ってこちらにもやって来る、数人の男の子のグループと、同じく数人の女の子のグループが隣り合っているのだが、男の子が女の子のグループの誰かを指して「口裂け女ぁぁ!」とからかいながら走って逃げて来た。

何の話なのかはさっぱり分からぬが、口裂け女という言葉だけはよく分かった。

久しぶりに聞いた、今でもそんなものが語り継がれているのだろうかと正直驚いた、確か私が中学生か高校生の頃に若い子らの間で大流行した都市伝説で、流行が下火になるといつの間にか私も忘れ、その後に思い出したように復活したのだがそれも忘れ去っていた、それが五十路を迎えた今でさえ子供らの間では生き続けているとは。

登場した当時は「私はきれい?」とマスクをとって耳元まで裂けた口を見せて人を驚かせるという妖怪だったが、徐々に話はエスカレートして「きれい?」の問いに対して「きれいではない」と答えると刃物で危害を加えられたり、物凄い速さで走って追いかけて来たり、耳元まで裂けた口には鋭い歯があって噛み付いたりするという危険な化け物へと変貌していった。

私が覚えているのはそこまでである、今は一体どういう行動をする妖怪だと語られているのだろう、まさか内税方式で金を要求したりなどの世知辛さを帯びてはいまいか、そのあたり少し興味はある。

それにしても男の子らは何故女の子らの誰かに口裂け女などと言ったのだろう、言われた女の子らは醒めて白けた感じで走り去る男の子らを見ているだけだった。

女の子は男の子よりもずっと大人っぽいものである、内心「ふん、ガキめ」くらいに思って相手にはしなかったのだろう。

30年以上も語り継がれている口裂け女、いったい今はどこで何をしているのやら。