2016年5月16日月曜日

死なないハエ

深夜に吹いた強い風で姉の住む平屋の屋根瓦のどれかがギリリと音をたてたと電話口で姉が言う、ずれていては後々困ることになるので雨も降り止んだ明るい夕方にアルミの梯子で上に登って端から端まで確認したのだが特に問題はないようだった。

相当な風が吹かないと瓦など飛ばないのだが、台風の時に一度、そして真冬の玄海灘からの季節風で一度、それぞれ過去に瓦がずれたのをきっかけに何枚かが落ちて割れてしまったことがあるので姉は風が強いと気にしてしまうのだ。

昨日と打って変わって気温が低く肌寒い、10度くらいは低いのだと思う、瓦に異常はないよと外気より温かく感じる水道の水で手を洗いながら言っているところへたぶん開けたままにしていた縁側からハエが入ってきた。

真っ黒なクロバエである、どこぞの汚いものに次から次へととまるので不潔極まりない、うっかり食器や食材にとまられては困るので台所の網戸と窓ガラスの間に迷い込んで羽音を鳴らしながら右往左往しているところへスプレー式の殺虫剤をシュッと吹き込んだ。

すぐに飛ぶのを止め網戸にしがみつき、羽を小刻みに震わせながらポトリと・・・落ちるかと思ったのだがそのままだった、一見すると苦しそうなのだが死なないのである、もう一度殺虫剤を吹きかけても変わらず、結局、泡立てて盛り上げたハンドソープの泡をペタリと押し当てて殺し、一旦屋外に出て台所の網戸を外し、死んだハエを水で流してきれいにした。

面倒だがハエは親が死んでも体内で孵化した幼虫(いわゆるウジ)が後から出てくることがあるので生活環境からはできるだけ遠ざけたいところ。

それにしてもこれほど殺虫剤が効かないハエというのも久しぶりに見た気がする、ずっと昔にも同じくらいしぶといハエを見たことがあるのだが、その後のピレスロイド系の進化のお陰か久しく遭遇しなかったのだが。

ゴキブリもそうだがハエも様々な薬剤に対して耐性を獲得している、なので殺虫成分が進化すると再び効き目が出るのだが、それに対して新たに耐性を身に付けるとまた効き目は悪くなる、イタチごっこなのだ。

以前にも書いた通り、種類は異なるが敵も生きるのに必死(2015年9月26日のブログ)ということなのだろうと思う。

これから気温が高くなるとハエは活発に活動するようになる、動きも俊敏で人の振り回すハエ叩き(今でもあるのか?)などおっとりしたもので身をかわすことなど容易いことだろう、そんなハエをあっさり捕らえる天敵である屋内のハエトリグモや屋外のシオヤアブがいつも身近に待機していてくれるわけでなく、結局、捕らえたり追い出すよりも入れず近寄らせずといった工夫が大切なのだと思う。

今日の場合は「開け放していた縁側」、これである、ちゃんと網戸くらいは閉めておくようにせねば。

そういえば先日、福岡市中央区内の公園で催された「肉フェス」という肉料理のイベントで供された料理で食中毒が起きてしまったらしい、そういったイベントのみならず、私のような飲食業、そして、一般家庭でも食材の鮮度や温度管理はもちろんのこと、ハエ、ゴキブリ、アリなどによる食材の汚損には冬季より一層気を使わねばならなくなった、もうそんな季節なのである。