2015年6月6日土曜日

タコの咬み痕

福岡から転勤で札幌に行った友人が5日間の休みを貰えたということで帰省していた、札幌での残り期間は1年半ほどあるらしい、「早く帰りたい」と何度言っていたことか、決して札幌が住みにくいということではないらしいが、やはり生まれ育った福岡のほうが良いのであろう。

夕方からは他の友人らとも一緒に一時帰省のお祝い(?)でもつ鍋会だった、私のうちでではなく友人宅で。

やや蒸し暑い室内で冷えたビールも美味しい、そんな中で熱々のもつ鍋を食べていれば汗もかく、一時帰省中の友人は脂肪分の無いコリコリのミノを美味しそうに食べながら鼻の頭を拭っていた。

ふと見れば左腕に傷痕がある、何だろうとは思ったものの特に訊きはしなかったが、視線がそこに向いているのに気付いて本人自ら「これ何だと思う?」と右手の人差し指で軽く押さえて他の4人に訊いた。

「何かが刺さったとか?」、「ケガではなくヤケド?」・・・。

答えはなんとタコに咬まれた痕なのだという、北海道のとある漁港で網に入れられた大きなタコを見つけ、持ち上げて遊んでいるうちに左腕にしがみ付かれて(?)咬まれたのだという。

話で聞くだけでも痛そうなのに、説明がどこか可笑しいので笑ってしまう、もの凄い力で腕に絡まれ、どうにかして外そうと引っ張ってるとズキッと痛みが走ったのだとか、話を聞いていた他のメンバーは「タコは咬みつくのか!」と驚いていたが、・・・そりゃ咬むだろう、テレビの動物番組などでは硬い甲羅のカニなんか襲って食べているではないか。

恐ろしく痛かったというタコの咬み痕さえ薄っすらと汗ばんでいそうなもつ鍋会も終わり、ニンニク臭い部屋の換気をしつつ後片付けも終えた。

もつ鍋会の友人宅を皆で後にし、そのうち1人は歩いて帰れる距離なのでその場で別れ、私を含めた3人はタクシーに乗り、一時帰省中の友人ともう1人は飲み屋に行くとのことで渡辺通り付近で降り、私はそのまま自宅まで帰ることにした、こんなに短い髪なのにもつ鍋の匂いがほんのりとするので早くシャワーを浴びてさっぱりしたかったのである。

タクシーの中でスマホの画面がぼんやりと点灯しているのに気付く・・・、何だろうと確認すればもつ鍋会の途中で届いたTelegramのメッセージ。

自宅に着き、Tシャツと膝丈のパンツを洗濯機に放り込み、シャワーを浴びてさっぱりし、あらためてスマホに届いていたメッセージに返信する。

さて、そろそろ寝ようかというこの時刻になって一時帰省中の友人からメッセージが届く、飲み会が終わったのでしない南区の実家に今から帰るという連絡だった、まだ飲んでいたのか(笑)。

「早く帰りたい」と言っていたのを思い出す、あと残り1年半である。