2015年6月17日水曜日

マダラという名の子犬

ある晴れた日の夕方に眩しそうな顔で西日を受けていたおじいさんと雑種犬(2011年5月17日のブログ)、いつの間にかそのお宅に子犬がいるではないか。

子犬の名前はと訊けば”マダラ”だと言う、そのお宅で生まれたのではない、知人宅で生まれた子犬を貰ったもので、腹部に黒い部分とそうでない部分のまだら状が名前の由来なのだという。

そのマダラも先住の老犬”コー”と同じく雑種犬、コロコロとしていて少しもじっとしていない、子犬独特の可愛さに見ているだけでにんまりとしてしまう。

飼い主は特にそう、抱きかかえ、撫で、そしてキスをしている、・・・おや、キスを。

いきなり核心に触れるとショックを受けるかもしれないので最初は遠回しに、でも結局「駆虫は済んだですか?」と訊いた。

「クチュウ・・・?」

自家繁殖の子犬の多くは寄生虫を持っている、キスをするような頭部にベタベタとくっついているわけではないが、体のどこかに寄生しているのなら人に寄生してしまう可能性が出てくるのである、ペットショップで買った犬なら検査も対策もされているだろうから大丈夫だとは思うけれど。

寄生虫は特に犬回虫、細長くて主に腸内に棲み付く寄生虫、殖えすぎると団子状になった回虫がウンチと一緒に出てきたり、口から吐いたりで大騒ぎになることもしばしば。

見た目が全然よろしくないだけなら構わないが、困ったことに犬回虫は人にも寄生する、人間は本来の宿主ではないので成熟できず幼虫のまま人体内を徘徊するのだ、目や脳に入りでもしたらと考えるとぞっとする、おおごとである。

今は犬の駆虫で何が使われているのだろう? 以前はパモ酸ピランテルという安全で確実な成分を使った駆虫薬だったが、今でもそうなのだろうか、人にも使われる成分で飲んだ翌朝のトイレで悲鳴を挙げた人もいるらしい。

あれだけ愛くるしい子犬だったら飼い主はキスもしたくなるのはよくわかる、でもその前に子犬と飼い主の両方のためにちゃんと検査し駆虫も済ませてからのほうが良いと思う。

ところでコロコロとした丸い動物はなぜああ可愛く見えるのだろう、猫にしろ犬にしろ丸っこいとつい撫でたくなってしまうのだ(撫でないけど)。

もっと歳をとってリタイヤでもすれば、そんな丸っこい三毛猫でも飼って、撫でながらのんびりしたいものである。