こちらでは「ねまる」と言う、食べ物が腐ることを指す、ご飯が水っぽく緩くなり嵩が潰れて粘着性を帯びた感じが語感から滴るように伝わってくる。
ちなみに北海道では「あめる」と言うらしい、こちらもねちゃ〜っとした感じが伝わってくる。
梅雨ともなれば気温はそう高くなくとも食べ物は思うよりずっと早く傷む、湿度が腐敗を助長するのだ、「昨晩加熱し忘れたカレーが翌朝にはもう怪しくなっていたのでしかたなく捨ててしまった」・・・、そんな経験があるという人もいるのではなかろうか。
味噌汁なんかもそうだ、書いていても勿体無い。
感染症情報センターで第20週分(5月20日付け)のO157などの腸管出血性大腸菌感染症発生状況の最新情報を見てみると国内38例のうち福岡が10例を占めていた、驚きである、全体で見ても西日本地域に集まっている。
いつだったかドイツのようなアウトブレイクが起きる可能性はどこにだってある、昨日は九州南部で梅雨入りしたらしい、ということはほどなく九州北部もそうなるだろう、それが明けて夏本番、食べ物には充分ご注意しなくてはならない。
飲食業を生業とする私はどんな食中毒にしろたった一度で廃業同然のできごとになるだろう、信用を失うのが一番怖い、ひとたび信用を失えば再び取り戻すまでどれだけかかるものか、いや、どれだけかけても取り戻せないかもしれない。
「ほら、あの店はね・・・」と悪評は付いてまわるのだ。
そういう私も某日某所の中華料理店で牡蠣のクリーム煮を食べたところ嘔吐と下痢で大変な目に遇ったことがある、この時はノロウィルスだったのだ、病院で詳しい事情を訊かれたので正直に答えはした、それであの店がどうなったかは知らない。
もうひとつこういう事例もある。
47年間営業を続けた知り合いの店が、始めたばかりの弁当のサービスで食中毒騒ぎを起こして客足がぱったりと途絶え、それまでの場所ではどうにも続けてゆけなくなり市内の別の場所へ移転したのだった、店名も変えての再出発ではあるが何かと大変らしい。
お客さんからの「今までどこでお店やってたんですか?」という何気ない質問にさえ答えられないのが情けないと漏らしていた。
いやいや、食中毒はいろんな意味で怖いなと思う。
全国的に鶏肉での食中毒も多いらしい、豚レバーの生食も禁止になった(そもそも豚のレバーなど生で食べるべきものではない)、過去にはサラダバーのキュウリで集団食中毒が起きたことだってある。
とにもかくにもご用心を。>皆様