この時期は特にそうなのだが、ここのところ頻繁に強いスポラディックE層の発生が確認されている、今日もそうだ。
突発的(スポラディック)に発生する電離層「F層」(上空300km付近)、より低い「E層」(上空100km付近)で通常ならば宇宙に向けて突き抜ける電波を反射してしまうという電波鏡のようなもの。
これがなぜだか地球上では日本付近での発生が多い。
今日、最も強いそれが観測されたのは国分寺(東京)、次いで山川(鹿児島)、そして稚内(北海道)、観測地が多ければもっと強いものを捕らえたかもしれない、なお、スポラディックE層は停滞はせず移動する。
遠い地のFM放送をラジオからふいに捕まえるのはまさに”突発的”な上空の鏡のせい。
夕食時にBGMとして流しておこうとそれまで聞いていたNHK-FMからLoveFMに移動すべくプリセットボタンではなくオートサーチを押した、いつもそうであるようにこうすれば周波数の高い側にはもう放送局が無いのでサーチは低い周波数側へループしてから再びサーチを始めるので地元で一番周波数の低いLoveFM(76.1MHz)を掴む・・・はずだったが違っていた。
見たこともない周波数でサーチが止まったのである、87.4MHzとはなんだろう、話し声のピークの部分がノイズに紛れて聞こえてきた、続いて曲のリズム部分が聞こえてくる、メロディまでははっきりと判別できない、どこの局だろう??
今度はプリセットボタンからLoveFMを選んで聞いていた、試しに2時間ほど経ってから再び先ほどの周波数に手動で合わせてみたけれどもう何も聞こえてはこなかった。
アマチュア無線家の中には普段なら交信できぬ遠い地の人と繋がる機会にもなるのでスポラディックE層の発生を喜ぶ人もいるという。
なぜ発生するのかはよくわかっていないらしい、諸説あるが寒冷前線が発生のきっかけになっているという話は昔から割とよく聞く説でなかなか興味深い、ただし、上空5km~12kmあたりの寒冷前線の影響がどうやって上空100kmにまで及ぶのかがさっぱり理解できないのだ、謎だ。
・・・まあ、謎であるがゆえに面白いとも言えるのだが。
5月~9月は発生数が多く強度も高い、遠くのラジオが聞けるだけなら問題はないが重要な放送の乱れはいろいろな意味で怖い時もある、事前に注意報が出ることもあるらしい。
自然はつくづく不思議だと思う。