2015年6月4日木曜日

あちゃら漬け

今日はイサキの塩焼きがよく出た、22食分を完売した、脂が乗ってジリジリと音をたてる焼きたては香ばしくて美味しいものである、こんがりと焦げた皮まできれいに食べて貰えてよかった。

イサキに負けぬほど出たのが六寸皿に盛った「あちゃら漬け」、初めての人は名前の面白さに引かれてだろう、常連さんなら甘酢と野菜の相性の良さをちゃんと知っている人たちなのだ。

博多は夏季に米酢に昆布出汁、ザラメと少しの黒砂糖、そこへ鷹の爪を落とした調味液の中に漬けた野菜(特に下処理を済ませた夏野菜)をあちゃら漬けと呼んで好んで食べる、福岡の郷土料理のように言われているが他県にも似たようなものはある。

長崎出身だというお客さんが「家(実家のこと)を思い出して懐かしい」とパートさんに言ったとか、うん、そうである、長崎の五島のほうで同じようなものを食べたことがある、確か大分にもあったような・・・、呼び名は異なってもあちゃら漬けは各地に存在する。

正直なところどこが発祥なのかはよく分らない、ただ、「あちゃら漬け」と呼ぶのは博多だけかもしれない、よそでは甘酢漬けとか、単に酢漬けとか、そう呼ぶかもしれないのだ。

和風ピクルスのようなそれ、各地によって調味料の配合も見た目も随分と違う、一度全部並べて食べ比べてみたいほど。

ちなみに我が家では祖父や祖母が夏によく作っていたのを覚えている、祖父のは紫帽(2015年5月12日のブログ)が入っていて、祖母のはミョウガが入っているが特徴、私が作るのはその時の野菜の都合でころころ変わるのでどちらとも言えないが、今日のにはミョウガは入れてなかった。

油っこい料理にも合うし、意外にもパンやパスタとも合うのだ、うちの姉はパスタをミートソースで食べる時のサラダ代わりとして好んで食べている、冬は塩もみして粗く切ったキャベツを使ったりもしている、酢漬けの野菜ということで何を入れても美味しく仕上がるということなのだろう。

私は昔から酸味のある野菜が好物で食事の際には発酵の進んだ漬け物などをよく食べるのだが、このあちゃら漬けもおかずとして熱いご飯と一緒に食べるのが好きだ、ところが友人らは「漬け物とは違う甘酸っぱい野菜がおかずになるなんて・・・」と不思議そうに言う。

そうなのか? 美味しいぞ、私にはおかずだ。

その昔、「赤かぶ検事奮戦記」というテレビドラマで主役の男が「これさえあれば他には何も要らない」とご飯のおかずに赤かぶを食べていた、あれが漬け物なのか何なのかはわからないが、それを見た姉が「赤かぶでご飯?」と不思議そうに言ってたのを思い出す。

いや、赤かぶでも何でも好きな人にはおかずになるのだ。

赤かぶのあちゃら漬けも美味しそうである。