2015年6月24日水曜日

勝手鍋

そんな鍋料理があるのかと思われるかもしれないが我が家や友人らとの間には存在するのである、特別難しい鍋ではない、何でも入れて鍋物にしてしまうというルール無用の鍋のことなのだ、冷蔵庫の余り物を何でも放り込んでポン酢で食すだけ。

夏至も越えた季節に夕食は汗が噴き出しそうな勝手鍋だった、五十路になって上司と喧嘩をして無職となった友人Kが全部準備してくれた、本人が言うには無職記念らしい、せいせいしたようだったがこれから先はどうするのだろう、まあよい、しばらくは蓄えで生きてゆけるらしいので早めに仕事を見つけて貰おう。

今夜の具材は割り引き品の水菜と油揚げ、そして半額の焼肉セット(牛ロース/豚バラ/モツ)、豆腐と人参、以上である、こちらが言う前にモツは湯通ししてくれたので臭みも盛大なアクが出ることもなく美味しかった。

なんでも放り込むとは書いたものの、以前に明らかに失敗した例もある、まずは「アボカド」、生で食べるのは好きだが、鍋物で加熱すると溶けたようになって気持ち悪い、これは無理だ。

次に「みかん」、テレビで丸のまま入れる鍋物を見て真似をしてみたのだが、柔らかくて微妙な味でアツアツなのがミスマッチだった、これも無理だ。

そして「はんぺん」、おでんや鍋物で普通に入れるだろうと言う人もいるだろうが、ふにゃふにゃした食感が気持ち悪いのだ、これは単なる好き嫌いである、豆腐だってふにゃふにゃしているだろうと思う人もいるかしれない、いや違う、豆腐はふにゃふにゃではない、ほろほろしているのだ。

今夜の勝手鍋は実に美味しかった、季節が季節なので汗だくではあったが。

後片付けも動物脂の処理さえ間違わなければ簡単である、鍋の中の油脂分をきれいに取り去ると汚れも楽に落ちる、鍋に氷水を入れると脂が白く固まる、それをサッと取り除けば良いのだ。

次回の勝手鍋はいつにしよう、メンバーが揃わぬと楽しくないのでうちの近所に来るついでを狙って筥崎宮の放生会の時にでもしようか。