2015年6月26日金曜日

強烈な天然系


仕事も終わって帰宅しようかと表に出たら予想外なことに薄日が差していたので近場をぐるりと散歩した、雨のせいで地面は湿っていたが風は乾いた感じでサラリとしていた。

桜の木を過ぎ、梅の木を過ぎ、松も過ぎて、ブナの木のあたりでキノコを見付けた、ポツリとそこだけに生えていた、周りには他の種類のキノコもない。

じっと見ているうちに毒がありそうな気がした、私には毒キノコの判別がつかない、そこで、ふと以前観た医療もののテレビドラマを思い出した、グレイズアナトミーだったか、ERだったか、ううむ、そのあたりだ。

ドラマの中では食用だと思って食べたキノコが毒キノコで、急性症状は治まったものの、肝臓がじわじわとダメになって肝移植を受けないと1週間ほどで死ぬという話だった、毒キノコを食べたのは女性で、結局、移植用の肝臓提供者が見つからず死んでしまったのだった、それと同じことは現実にも起きていることなのでドラマとはいえ怖かった。

よく天然由来の成分を使った商品で「優しい天然成分」などとキャッチコピーが使われることがあるが、天然系が優しいとは限らないのだ、2時間ドラマで定番の毒殺成分である青酸カリとは比べものにならないほど強烈なものはいくらだって存在するのである。

しかも、ここには書かないが意外と身近な場所にあったりする。

天然系の強烈さで思い出したがオーストラリアには猛毒を持つクラゲがいる、キロネックスという立方クラゲの仲間で死者が出ているらしい、もともと立方クラゲの仲間に刺されると症状が激しい、日本沿岸でもアンドンクラゲという名の刺されるとミミズ腫れになるクラゲがいるがこれも立方クラゲの仲間。

クラゲに刺されて人が死ぬなど夢にも思わなかったのでオーストラリアのそれは驚きだった。

私もしょっちゅう海水浴に行っていた中学生頃まではシーズン中に1回はアンドンクラゲに刺されて痕が2週間ほど残っていたものだ、「あいたっ!」と痛みで驚くまでは水面を凝視などしないので透き通ったクラゲに気が付かないのである。

ミミズ腫れを「砂で揉むと治まる」とか「コーラで洗うと治る」などと友人らが真面目顔で言うので試したが痛いばかりで何の効果もなかった、まあ、今思えば効果がなくて当たり前なのだが。

ヘビ、カエル、ハチ、貝、タコ、エイ、クモ、草花、木々、強烈な天然系はどこにでも存在する、どんなに美味しそうでも怪しいキノコなど食べませんように、そして、見慣れぬ生き物が珍しいからとむんずと掴んだりしませんように。>皆様