2015年6月15日月曜日

父と娘

今日は仕事が終わってから実家に寄り、姉を連れて都市高速を走って西へ、たまには外へ食事にでも連れて行こう・・・と、思ったのではなくたまには連れて行けとせがまれて某中華料理店へ。

店に到着したのは午後2時半頃、美味しい店なので時間帯によっては待ち時間があるほど客は多い、今日は昼食時を過ぎていたので2割ほどの入り、正午あたりはさぞ忙しかっただろうと思う。

2人だと伝えれば窓側の席へ案内された、外は晴れていたが日差しの向きが違うので眩しくはなかった。

さて何を注文しようかとメニューを開いたところで斜め前の席、通路を挟んだそこへこちらと同じく2人で座っている客がいた、私たちが席に着く前には既にそこに座っていたのだ、こちらに向かって座っている男性は面識のある人だった、背を向けて座っているのは若い女性。

面識はあってもそれほど親しいわけではない、ゲイの集まる某飲み屋が満席になって席が足りなくなった時にカウンターの中に入れられていた人だ、少しだけ話をしたことはある。

店では「結婚なんてしたことない、したくもない」と何かの話の流れで言ったのを覚えている、独り者ならばお向かいの女性は年の離れた妹さんか姪御さんか、或いは女友達だろうか、私はそちら側を2度見たきりもう視線を移さず何を食べようかをまず決めて注文。

相手は歩いて来る私を見て先に気付いていたと思う、誰と何処で出会っても迂闊に声を掛けたりはしないので相手の迷惑になるようなことは決してしないし、そういうのはゲイの社会では常識なので敢えて心配することもない。

「中華ポテトも頼んでいい?」とそのテーブルから女性の声が聞こえた、「いいよ」という返事、「すみません」と再び女性の声が店員を呼ぶ。

注文を済ませた後で店員が「若干、10分ほどお時間かかりますけれどよろしいでしょうか」と訊きに戻ってきた、「どうする?」と女性に訊くと「お父さんがよければあたしは大丈夫(待つという意味)」と答えたのだった。

・・・お父さん?

仮にいつかその人と親しい間柄になっても今日の事を訊くなどあり得ないことだが、人それぞれに隠しておきたいことはやっぱりあるものだと改めて思った次第。

私たちがゆっくり食べている最中に隣の2人は席を立って帰って行った、すぐに店員がやって来てテーブルの上の片付けが始まった。

「そこに居た人知ってる人?」と姉がポツリと訊く、通路を通って帰る途中で何度となくチラチラと、時にはジッと振り返ってこちらを見ていたと言う、やはり気になっていたのか。

こちらは知らぬ顔しているのだから、知らぬ顔で返せばよいのである、こうやってブログに書いてはいるが、その男性がどこの誰だかなど決して明らかにならないので大丈夫。

私は何を見たとしても、何も訊かない、逆に何か訊かれても、信頼できる人以外には何も答えない。