2018年4月20日金曜日

逃げるが勝ち

元気がないどころか体調そのものも悪くなっていそうな友人がいる(2018年3月21日のブログ)、全ては仕事の、いや、仕事場の人間関係からのストレスなのだろう、もはや鬱状態なのではないかと久々にアプリの無料通話で話をして強くそう思った。

正直なところもう辞めているかもしれないなと思っていたのだが、入ってすぐに辞めることに何かしらの抵抗感があるのか続いていた、この場合の抵抗感とは、たとえば「逃げる」といった語感からのマイナスのイメージや、みっともなさといった周りの目などのことである。

「逃げるが勝ち」という諺がある、ある意味「石の上にも三年」の対極に位置する諺だ、私が支持するのは前者である、仕事を短期で辞めてしまうと履歴書の経歴ばかり長くなって雇い主からの印象が悪くなると思われがちだけれど、自分に合った仕事を選び安心して働ける環境を手に入れるというのは安定した収入、ひいては生活の質を確保する上でとても大事なことではないか。

話をしている途中で友人は涙声なのではないかと思える場面があった、昼メシの話の時だった、職場の近くには旨いラーメン店があり、100円アップでギョウザとおにぎりの付いたセットが人気で友人もたまに食べるらしいのだが、入社間もない頃は他の同僚らと同じように弁当業者が日替わりで持って来る安い弁当を利用していると言ってたので味に飽きたのかと訊けば「そうじゃないけど」などとはっきりしない。

なんとなく妙なので更にどうしたのだと訊くと食堂には長いテーブルが5卓あり、そのうち2卓を男性が、残り3卓を女性が使っているらしいのだが、ある日「○○さんは向こうですよね?」とニヤニヤと女性陣のテーブルを指さされ暗に向こうへ行けと言われ、それを見ていた女性のパートさんが可哀想に思ったのか「○○さん、ここ空いてるよ、こっち来なさいよ」と言ってくれたのだが、逆にそれが辛くてその日を最後に食堂で昼メシを食うのを止めていたのだそうだ。

これは酷い。

「私だったらさっさと他所を探す」とつい言ってしまった、だが、私だったら本当にそうするだろう、堪えていればいつか報われるかもしれないが、それまでの間に血圧や精神面に悪影響が出そうで嫌だ。

「石の上にも三年」にはとても大きな意味があるけれど、「逃げるが勝ち」にもそれと同じだけの意味がある、「逃げる」という部分の語感に惑わされることなく、「回避」なのだと思って別環境を探してみてはどうかと言うと「そうだね」と友人は言った。

たぶん、友人は辞めると思う。