2018年4月17日火曜日

同じ「タイタン」ならば

私はNetflixでいろんな映画やドラマを観ている、秀作・良作いろいろあれど、残念なことに中には駄作や失敗作としか思えぬ作品もある。

そして、たいていの場合に於いて良い作品だったと思えるものしかブログに書かない、自分が楽しめたので暗にではあるが自信をもって薦めているのだ、逆に、良くなかった作品はここではスルーしている。

だが、残念すぎて書きたくなった作品に出会ってしまった、Netflixオリジナル作品でサム・ワーシントン主演のSF映画「タイタン」である。

視聴開始から15分ほどはこの先どうなるのだろうという期待でわくわくしたが、指摘したくなる点があまりにも多く、作品上で都合の良い展開しかしないので中盤でシラケてしまいラストでは呆れてしまったのだった。

物語の大筋は人類繁栄の新天地として土星の惑星「タイタン」を目指すべく選ばれたメンバーに過酷な環境に耐えうるよう肉体改造を施して送り込もうというものなのだが、そもそも惑星タイタンの詳しいことが分かっていない段階でそこに適合するよう肉体改造というのが変である、分かっているのがメタンの雨や海にしろ他の大部分のことはまだ謎なのだ、その分かっていない大部分に適合させるなどあり得ない。

いや、それ以前に肉体改造で過酷な環境に適合できる肉体を持てるのなら、住みにくくなる地球に適合させたほうがもっと早くて確実なのではないか、たとえば空気中の窒素からタンパク質を合成させるなどSF映画ならお手の物だと思う。

呆れたラストは肉体改造に成功した主人公がタイタンで仁王立ちしているというシーン、映画の〆であり栄えあるラストだったのだろうがタイタンは隣町のコンビニ程度の距離ではない、あれやこれや条件を整えても行くには片道で3年以上はかかる場所にある、主人公である夫がいる遠い星を見上げる妻の傍を小さいままの我が子が横切るのだが3年経ても大きくなっていないのはおかしい、子供など3年で見違えるほど成長するものなのだが。

他にも山ほどおかしな点がある、まあ、細かいことは抜きにして楽しむ映画なのかもしれないが。

主人公のサム・ワーシントンは2010年に公開された「タイタンの戦い」という映画に出演している、同じ「タイタン」という名称を持つ映画に登場しているのだ、だが、比べるまでもなくその2010年の映画のほうがもちろん若く、良い役柄だったし楽しめる、名作とはいえないがそれでも「タイタン」よりは「タイタンの戦い」のほうが上なのだ、金の掛け具合も違っているのだろうけれど。

参考までにその両映画の予告編を貼っておく。

制作側も折角の俳優を上手に、そして大切に使ってくれればいいのになと思う。