仕事帰りのスタバは混んでいた、よほどの悪天候でない限りいつもこうなのだろうと思っている、月曜だろうが祭日だろうが昼メシ時を過ぎたあたりの時間帯の休憩にはちょうど良い場所なのだ。
私は冷たいラテを手にソファーに座ろうと店内を歩いたところで右側の男性がスマホをテーブルの上に置いた、今まで操作していたアプリの画面ではなくホーム画面だ、男性はうっかりしていたのだろうけれどバックライトが点灯したままだったのでそこに並んだアイコンが見えたのだった。
その中には同じアプリを使っているからこそ一目で分かるゲイアプリのアイコンがポツリ、ということはその男性はゲイなのだろう。
たとえゲイアプリの画面を出していなくてもアイコンからゲイであることを知られてしまった瞬間である、もちろんそれが分かるのは同じアイコンのアプリを使っているゲイということになるのでノンケに知られてしまう可能性は低いだろう、「ああ、何かのアプリなのだな」程度で。
・・・いや、冷やかしでノンケもゲイアプリをインストールしているという話を聞いたことがある、ゲイのフリをして適当に誰かにさも気があるような素振りでからかってみたり等の悪戯の話も聞いたことがある、そんな人たちもいるので知られてはマズい場合は用心しておいたほうがいいのかもしれない、特に会社勤めのサラリーマンなどは。
ゲイアプリのアイコンはホーム画面から消すなり別へ移すなりで隠しておいたほうがいいだろう、覗き込まれずともうっかりスマホのホーム画面を見られてしまうことはありそうだ、たとえアイコンだけでも用心するに越したことはない。
さて、そのゲイアプリをインストールしたスマホの男性は30歳前後に見える人だった、あくびをし、目をこすり、そして窓の外の様子を見ていた、その後は背を向けていたので分からない。
私はというとスマホを取り出し、メッセージの返信をし、OCNモバイルONEからの販促メールからブラウザを立ち上げてキャンペーンの内容を確認した、そこで寛いだのは20分ほどか、やっと晴れた明治通りを東へと向かい自宅へ戻ったのである。
葉桜となった桜の木とツツジの花を横目に見ながら歩いていると鍛えたふうではなく仕事で分厚くなったようながっしりとした40代半ばくらいの男性と横断歩道ですれ違った、真冬のような厚着ではなく腕の太さや肩の盛り上がりがはっきりと分かる軽い身なりだった。
こざっぱりとして清々しく格好良かった、私は穴があくほどジロジロと見るわけではないので(2017年6月25日のブログ)すれ違いざまでも全く気にも留めず歩くその男性、そこで思い出したのがスタバでのゲイアプリのアイコンが表示されたホーム画面のスマホをうっかりテーブルに置いてしまった男性だ。
他人の目はどこにでもある、趣味や趣向が知られてしまうスマホのアイコンを意図的に見るか偶然に見てしまう目は格好良いなと容姿を愛でるだけの目とはまた違う、ゲイであることを知られても困らない人はいるが、そうでない人もいる、後者に属するかたはご用心を。