2018年3月4日日曜日

見分けは目の縁

夜明け前こそは肌寒かったが日が昇ると一気に気温は上がった、仕事場ではエアコンを使い、そこから家に帰る途中の午後はずっと半袖で過ごしていた、屋外にいてもである。

とあるバス停近くで梅の花が満開だった、個人宅の外塀の向こう側で、花を見ずとも近くに咲いているのが分かるほど香っていた、梅は紅梅で隣り合っての2本だった。

バスを待つ親子と思しき母娘がいて、小学生高学年くらいの女の子が「あ! ウグイスがいる、ほら!」と一緒にいた中年女性に言った、女性は「あらほんと! きれいね」と人差し指を鳥に近づけた、この指にとまりなさいとでも言う感じで。

鳥はピョンと奥の枝に跳び移り、こちらを見ながら横歩きのように枝に沿って小刻みに移動したかと思うと隣の梅の木に移動して花を突いていた。

抹茶を少しだけ淡くしたようなきれいな色の鳥だ、だがそれはウグイスではない、メジロだ。

「梅にウグイス」とは言うけれど、梅の花の間をぴょんぴょんと移動するきれいな鳥はメジロの場合が多い、ウグイスもメジロも大きさや季節が重なるので混同されがちだが、ウグイスは目がポツリと黒目なのに対し、メジロはその黒目をグルリと白で縁取っているのが見分けのポイントである、漢字で書けば「目白」の通りなのだ。

画像検索でのウグイスメジロを比べるとよく分かる、ウグイスで検索してもメジロが登場していることもあるのはご愛嬌といったところか、それほどメジロをウグイスだと間違うケースは多いということだろう。

さえずりの美しさで知られるウグイスだが、見た目でいえばメジロのほうが好まれる、昔は網や粘着式の罠で捕らえていたりしたが、今は法律の改正で野鳥の捕獲はたぶん不可になっている・・・と、思う。

梅にウグイスならぬ梅にメジロか、花札の図柄のような光景も梅の花が終わるまでとなる、今日の最高気温は21度に達し、明日も同じくらいまで上がるが、その後は暦なりの気温に戻るそうだ。

それでも暖かい、いよいよ桜の季節も近づいた。