夜に家庭ごみを出しにごみ置き場へ行くと足元に自分の影がクッキリと伸びているのを見つけた、最初は街灯かどこかの窓辺から漏れる明かりのせいかと思いはしたが角度があって影が短いので頭上だと気付き、見上げたそこには明るい月が輝いていた。
満月は明日だというのに、本当に明るい。
昼間に見た散り始めの桜の花や、霞の掛かった橋の上からの眺めなどをふいに思い出しながらしばし月を眺めていた。
誰の語った話なのか、月の明るい夜に付き纏うように傍に寄り添う自分とは別の影の話をも思い出した、悪鬼の話ではない、実は普段から守護役として寄り添ってくれている生前に親しかった人の霊が月の明かるさには身を隠しきれず影となって現れるというものだ。
たとえば亡くなった親であったり、友人であったり、親しかった人との仲を思うとそんな影もなんだか切ない、だが、せいぜい影までしか現れてくれないので話をしたかったら夢の中で逢うしかなくなる。
いや、ほんとにいつ聞いた話だったか、こう書いていてもピンと来ない、相当昔のことで、もしかしたら海外のどこかに伝わる話だったか、まあ、古い記憶である。
そして浜は大潮、明日と明後日は潮干狩りの人たちで賑わうに違いない。
気温も高し、このまま初夏へと突入す・・・るかと思えば一旦寒の戻りがあるもよう、気温が乱高下するので体調管理はしっかりと。>皆様
もちろん、私も。