仕事帰りにサブウェイに寄った、場所は徒歩で帰る途中にある九州大学病院内のそれだ、1階のドトールとファミマに挟まれた中間点にある。
病気やケガをした感じの人がいなければ毎度のこと病院内だとは思えぬ場所だ、広く明るく高い吹けのロビーを人が行き交うのを見ているとちょっとしたターミナルビルにでもいるような錯覚を起こしそうになる。
今日は自動演奏のピアノが童謡や小学唱歌を演奏していた。
対面販売のサブウェイで私の番を待っている間にそんなロビーを眺めていると白衣の病院関係者と患者さん、そして通行人風の普段着やスーツ姿の人に混じって紺色やピンク、水色やえんじ色の制服姿の人がたくさんいることに気がついた。
ピンクの人は帆布製に見えるランドリーボックスのようなものを押していた、リネン関係者だろうか、年齢は高めで女性ばかりだ、えんじ色の人は清掃用具と小さな手押し車だ、間違いなく清掃関係者だろう、ピンクの人よりもさらに年齢は高めである、紺色と水色の人は何をしているのかは分からない、間違いなくそこで働いている人たちである、色の違いは業者の違いだと思う、だとすると持ち場の違う複数の業者が集まっているということだ、直接の病院関係者と外部の営業関係者、そして病院運営を陰で支える各色の制服の人たち、九州大学病院を仕事の場とする人はいったい何人いるのだろう、相当な数である。
目的のサンドをテイクアウトで買って店の外にでてロビーをあらためて見回すとATMコーナーの更に奥に小さな看板が出ているのを見つけた、誰かがそこで立ち止まってじっと見ている、何があるのだろうと私もそこへ行ってみると病院内のレストランだった、立ち止まっていた人はサンプルを見ていたのだ、結局中には入らず立ち去ったが。
私も「結構な料金をとるのだな」と思いつつ引き返して病院の外へ出た。
正面入口から出ると車の誘導や駐車場の管理をする警備員が数名いた、ひっきりなしに入って来る車はそれら警備員がいないとスムーズに流れないだろう、それとは別にJR駅や地下鉄駅のある大学通り側への人の流れもまた絶えない、私もその中に紛れて帰ってきたのだ。
ひとつの小さな街のようではないか、今のツインタワー風の建物になる前の古びた建物時代も大きかったが今は1桁違う感じだ。
春や秋になると子供連れで散歩をする人たちがいるのを知っている、人が少ない場所で弁当を使っていることもある、病気の治療や見舞い、仕事以外でもそこを立ち寄る人も少なからずいるということだ、ますます小さな街のようだなと思う。