2017年3月8日水曜日

譲らぬ牛と豚

冬に逆戻りしたような寒い午後、私は明日が休みなので仕事帰りの寄り道も時間を気にすることはない、そんな休前日であることを知っている友人が用があって天神に来ているのでお茶でもどうだと誘ってきた、人混みが苦手なはずのその友人はまだ1年は経たないがバナナが原因でケンカとなって私の部屋に泊まりに来たその人である(2016年5月26日のブログ)。

天神へは1人ではなく同居中の相手も一緒だと言う、何か買い物だろうか、会った時に訊いてみよう。

待ち合わせの場所に約束の時間より少しだけ早めに着くと2人はもう来ていた、さあ、しばしのんびりしようかと歩き出すとスタバではなく紅茶の美味しい店があるからと連れて行ってくれた、なんと、友人のご兄弟が店主だという店だった。

奥のテーブルに座って話すこと1時間ほど、近況から下世話な話までいろいろ出てきて楽しめたが、そろそろ出ようかというところでこのまま近くで早めの晩メシはどうだと誘ったらカレーを仕込んでしまっているので来週にでもどうだと逆に提案された、うん、それでよし。

愛情いっぱいのカレーだなと言うと友人は単なる鶏肉のカレーだとサラリと返してきた、鶏肉か、バターチキンかと訊けば牛肉の代わりに鶏肉にしただけらしい、その同居人が本当は豚肉しかありえないのだがとカレーについての持論を軽く口にした。

カレーは牛肉だという友人と、豚肉だと言う同居人、鶏肉にしたのはお互い折れるのが癪に障るからだと明かした、バナナでケンカするくらいなので牛肉と豚肉では大戦争になるだろう、傍から見ればつまらぬことで意地を張る子供ようで可笑しくなって笑った。

そんな熱い2人に水を差して申し訳なかったが私は余り物の肉を両方共使うことがあると言い、残り物の唐揚げを放り込むことさえあると言うと「うわっ」と驚かれた、カレーは極端過ぎなければ何を入れても美味しくなるので全く問題ない。

まあ、彼らにしてみればカレーに唐揚げは極端過ぎるのだろうけれど。

舌に紅茶2杯の渋みがほのかに残るまま店を出た、2人はバスで帰ると言ってたが私は天神駅から地下鉄で帰ってきた、中洲川端で乗り換えた時に天神へは何用で出て来たのかと訊くのを忘れた、まあよい、牛肉か豚肉かで家を飛び出すようなケンカもせずに仲良く鶏肉のカレーを腹いっぱい食べて欲しい。