今日の夕方は平日の食事会だった、友人がハンドルをグルグルと回して使うパスタメーカーを買ったので食べに来いというお誘いだったのだ、平日だったので参加者は私ともう1人だけだったけれど。
自家製生パスタと聞くと面倒臭そうに思えたが目の前でその作業を見ていると生地さえ用意していれば面白いほど簡単に見えた、普通の生地とほうれん草を混ぜたものとの2種類を使って3種類の料理ができてしまった、もちもちの食感と濃すぎない味が美味しく、手際の良さが見ているだけでも面白かった。
出来上がった生パスタは茹でてササッと味付け。
出来上がったパスタをテーブルで取り分けて食べているともう1人の参加者が飲みに行った先週末の土曜の夜のことを話してくれた、カウンターで飲んでいると隣にやってきた男が「アプリの人ですよね?」話しかけてきてという、「何のアプリ?」と訊き返すとゲイ向けのアプリの名を挙げたので「ああ、やってますよ」と言うと「私です、○○です、△△の時だったかな? 1度だけメッセしたことあるんですよ」と嬉しそうにするのだけれど記憶にないので「すみません、覚えてません」と言ったそうである。
その人は時々名前を変えるらしく、メッセージをやりとりした昨年末当時は○○だったのか△△だったのかははっきりしないらしい、しかも、今年の1月半ばで止めてしまったので今はもう当時のメッセージもプロフィールも残ってないという。
なにより、アプリでは一度も顔を載せたことがないのだそうだ、載せていたのは胸から下の丸い腹と毛濃い腕の画像、いわゆる顔なしさんだ。
友人が誰だか分からないというのも無理はないと思う、友人はそのアプリ上で2000人近くの人と繋がっているのに加え、○○も△△もカタカナ2文字でよくある名前だし、丸い腹など太め好きな友人が繋がっている面々にすれば皆一様で印象は薄い、個人の識別には特徴がなさ過ぎて記憶に残らないだろう、友人は顔画像を2枚載せているので相手にはパッと見ただけで当時の人だと分かったのだろうけれど。
「顔画像載せてなかったんなら分かりません」と言うと「冷たいんですね」と返ってきたというではないか、むむむ、なんだそれは、顔も見せず誰なのか分かってくれというほうが無理なのではないか。
冷たいと言われてカチンと来たのか友人は「出会い求めてアプリやってるんならメッセのついでに顔くらい見せないと、こっちは見せてるんだし」と言ったところで会話は終了。
パスタを食べながら聞いたその話に、その時初めて見た相手の顔はどうだったかと訊けば可愛い同年代のおじさんで好きなタイプだったという。
いろんな事情で顔を明かすことができない人はそれなりにいるだろうけれど、やはり親密になりたい相手には個別対応でもいいので、こっそりと顔を見せてあげたほうがいいと思う。
プロフィールの内容にピンと来たり、交わしたメッセージの感触から何かしらの縁がありそうだと感じた時は特にそう。
さて、生パスタの食事会はほどなく終わり、あとはレモンを使ったほんのり甘い冷たい飲み物でのんびり、こちらも美味だった、大人3人が腹いっぱい食べても残った生パスタはお土産でいただいた、冷凍すれば1週間は問題ないらしい、ごちそうさまでした。