2017年3月2日木曜日

雹だ!

遠くから低く唸るような雷鳴が聞こえてきたのが午前9時半頃、休憩時間ならすぐにスマホでレーダー画像を確認しただろう、雨が降るのは分かっていたが雷が鳴るほどの雨雲なのだろうかと気にはなったが魚を捌く手元が忙しくて仕事は中断せずに続けていた。

雷鳴は徐々に近くなり、窓辺が暗くなってきた、背の高い雲が近くにやって来たのがわかった。

何だろう、外で音がする、空の卵パックを手で揉むか、空のペットボトルを踏み潰すような音がするのだ、さすがに気になって通用口から見てみると何か降っていた、雨よりもはっきりと白く大きくて風が寒い、雹だった。

雹が隣の駐車場に停めてある数台の車に当たってバリバリと大きな音をたてていたのだ、いつの間にか背後にはパートさんたちがいて「うわ、何ですかこれ?」と呟いていた。

その時だった、閃光がパッと走り間髪入れず轟音が轟いた、冬の雷は夏のそれよりも激しい、もともと私は雷が怖いのでなおのことその時の雷には驚いた、背後のパートさんが「うああああ!びっくりした!」と言うまでもなく私も数センチは床から浮いたのではないだろうか。

時刻は午前10時前、研いだばかりの包丁を握って手元の作業をしている最中や、煮えたぎる鍋の傍に居る時でなくてよかった。

なんという天気なのだ!

雹はそれほど長くは続かなかった、車のフロントグラスあたりに大きな粒が溜まっているのではないかと表に出て見てみたかったが、不意を突いて夏よりも長い距離を落ちてくる強力な雷が怖いし仕事もあるので止めておいた。

雷は夕方になり再び鳴ったが、午前中のように雹や轟音までにはならなかった。

夜になってレーダー画像を見ていると対馬暖流の上を流れる寒気が筋状の雨雲を作っていた、同じような場所に長々としつこく雨を降らせる雲である。

さて、明日の朝は消えていてくれるだろうか。