2017年3月12日日曜日

訴求点は歌詞の中

YouTubeでキーワード検索の中から選んだニュース動画を見ていた、昨年末の某民放局のものである、その冒頭にはニュースに入る直前のCMが編集で整理されることなく後半部分がそのまま残っていた。

昨年末のCMなのになんだかもう数年は過去のもののような気がした、大手メーカーの知名度の高い人気の製品のCMで覚えてはいるがすっかり忘れていた、その動画を見ていなかったら思い出すこともなかったと思う、今は新しいバージョンのCMが登場しているようだし。

映像は美しく、登場人物もメジャーなタレントさんで、製品についてのセリフは平易かつ明瞭でBGMも映像と商品のイメージにぴったりなものが流れていた、それなのに私について言えば記憶にはとても薄い。

なぜだろう、他に様々なCMが溢れているからだろうか、いや、どこかべったりと頭に貼り付く力が弱いせいではないかと私見ながらそう思う。

平成の今となっては少なくなったそういうタイプのCMが昭和にはゴロゴロしていた、どれも無骨でおしゃれさなどはない、特に記憶に残るのは製品の特徴や優位点といった売るための訴求点を歌詞に託し曲と共に映像で押し込んでくるようなCMなのだ、なんだか右脳経由で焼き付いたような感じである。

そういったものは今では好まれないとは思う。

私の記憶の中で最も古いそういったCMといえば学ラン姿の応援団が野太い声で歌う「サイン、コサイン、タンジェント、ローグ、エルエヌ、ルート、パイ、カシオで一発ワンタッチ」というカシオの電卓のCMである、当時はローグ(log)やエルエヌ(ln)など何のことかさっぱりわからなかったというのに。

これがどう歌詞になって曲となりCMに仕上がるのかを動画で紹介したかったのだが見つからない、残念。

・・・いいや、もしかしたら旺文社の英語学習教材の「ABCは知ってても、それだけじゃ困ります・・・」というCMのほうが先だったかもしれない。

家庭園芸の病害虫の防除でつかうフマキラー社の「カダン」もいまだに消えない曲のひとつ、メーカーサイトではその曲が聞けるようになっている。

今でも昔のように続いているものでは積水ハウスの曲がそうではないか、アレンジはその時々によって異なるが、いつからか歌詞も新しくなったようである、まあ、私にとっては「大きく膨らむ夢、夢、夢・・・」というあの歌詞は変わらない。

こちらも新しい歌詞のものがメーカーサイトで聞けるのでご興味があればどうぞ。

そういえばカダンも積水ハウスも作曲は小林亜星氏のようだ、私と同じ年代の人なら一世を風靡したテレビドラマ「寺内貫太郎一家」の人だと言えば分かってもらえると思う、手がけたCMソングは数多く楽曲としての品質の高さからCD化されたほどである、30秒にしろ60秒にしろ決められた演奏時間内で始まりから終わりまで破綻なく作り上げてしまうこの人は天才だと思う。

私は民放はあまり見ない、CMだって録画番組から飛ばしこそすれ好んで見るほうではない、だが、いつかまた10年経っても何かの拍子に頭の中で鳴ってくれるか軽く口ずさんでしまうほど忘れられないCMとその曲が登場しないかなと思っている。

そう、実は期待しているのだ。