2017年1月13日金曜日

本当にケガをしていた猫

昨日の明け方は猫の争う声でベランダから下を見回していたのだが、今日は仕事から帰ってくると自転車置き場にいつもの見慣れた当のオス猫がいた、風の当たらぬ具合の良い場所を見付けてそこに座っていた。

こちらに気がつくと顔を向け、そして目を細めてまた元の通りに前を向いた、所定の位置に自転車を停める間もじっとそのままで、私がエントランスへ向かう途中で振り返ると猫は別の方向へ歩き出していた。

いつものように人に媚びることもなく何食わぬ顔で座っていたので気が付かなかったが、右の前足をかばうようにひょこひょこと歩いているではないか、昨日のよそ者との争いで直接ケガを負わされたのだろうか、それとも追う途中で傷つけたか、はたまたそれとは全く関係なく別の件でケガをしたのか。

オス猫は強い風の当たる場所を通り過ぎて再び物陰になる場所までやって来ると傷めているほうの前足を舐め、そしてこちらをジッと見て、また歩き出して他所の敷地へ抜けて行った。

痛いのだろう、だが野良なので舐めて我慢するしかない。

猫に限らず犬もそうだが傷を負えば舐めて自分で癒やすくらしかできない、その多くは回復するが時には重篤化し死んでしまうものもいる、それでも人間よりはずっと丈夫にできてはいるけれど。

東区の千早で体に針金が巻き付いた犬を見たことがある、肉に食い込んで血膿が滲み、真夏ではなかったが腐臭が漂いハエがたかっていた、犬も相当痛いのだろう、歩く度にキャンと叫ぶのだ、通りがかりの人が針金を解いてやろうと近づくと唸って歯を剥き出しで威嚇するので手が出せない、犬は結局は走って逃げて行った、私も周りの人もどうしようもなく見ているだけだった。

あの犬はその後どうなったのだろうと、今更ながらに考えてみたり。

あれほどの傷ではないにしろ、舐めて体力に任せるしかない動物はそれが当たり前のこととはいえ人間の目から見れば厳しいなと思う。

数日経てばあのオス猫の前足は治っているだろうか、もう一度頭を撫でてみたいなと思う。