2017年1月11日水曜日

今時の鏡開き

今日はかき餅を作るから良かったら来てねと姪っ子からメッセージが入っていた、今日は鏡開きである、もっと早かったり遅かったりする地方もあるらしいが大方の所では11日の今日のようである。

私は地味なこの習わしが好きだ、供えておいた鏡餅を割る意味のうんぬんではない、揚げたてのかき餅が好きだからである、他所ではぜんざいで食べるケースが多いようだが、うちは昔からかき餅だった、揚げたてにパラッと塩を振って熱々のそれをカリリと食べるのが実に美味しい。

まだ父が生きていた時は鏡餅を割る役目は父だった、ブロックに新聞紙を敷き、その上に乾いた布巾を敷いて金槌で叩き割るのだが、誰がやってもきれいに割れるかと言えばそうでもなく、その点、父は割れた餅を周りに飛ばすこともなくポロポロと上手に割っていた。

揚げるのは母の役目、「危ないから来ないの!」と群がる子供を遠ざけて菜箸で揚げたてを摘み上げて新聞紙に乗せてゆく、塩を振るのは姉の役目だった。

兄と私は食うだけ。

夕方に姉のところへ行くと姪っ子が「鏡開きをします!」と宣言し、備えておいた鏡餅をひっくり返して裏のシールをベリベリ・・・、中から小袋に入った小餅が出てきて終わり。

味気ないが今はこのほうが簡単で餅もカビの心配もなく合理的なのだ、まさに今時の鏡開き、次は私の出番、なにしろ小餅は丸くて揚げるのはやや大きい、レンジで少し柔らかくしてから出刃包丁で1つを4等分に切り分けた、後は姉に揚げてもらった。

持って帰るかと訊かれたが、揚げたての美味しさはこの場だけなので熱々を幾つも食べた、晩メシ前だと言うのに。

帰り際に甥っ子もやって来た、いただきものだというみかんを届けにきたらしい、元から痩せ型なのだがなんとなく更に痩せたようにも見えた、ちゃんとメシは食っているのかと訊けば食ってはいるが年末年始忙しかったそうで、ちゃんとした正月休みは今週末からだと言う。

仕事が忙しくて痩せるのは頑張っている証拠なのだろう、炭水化物と油脂のハイカロリーなかき餅を食って痩せた分を取り戻すがいい。

十日恵比寿の大祭も今日で終わり、1月も半ばになろうとしている、ダラダラのんびり過ごした年末年始が過ぎて1週間以上も経つのか、早いものである。