2017年2月16日木曜日

猫なりの別れの挨拶

休日の今日、指定時刻通りの午前中に衣類乾燥機がやって来た(2017年2月11日のブログ)、設置は文字通りそこに置くだけで面倒な工事などは一切なし、引き換えに故障した古い機種を持って行ってくれた、設置も回収も全て込みで5分もかからなかった、新しい衣類乾燥機は縦も横も数cm大きいだけだが数字以上の大きさを感じる。

昼から何をしようかと考えたが掃除も洗濯もするものが無い、空き時間はたっぷりあったので昼の忙しい時間帯を避けて私と同業である友人の飲食店へ遅い昼メシを食べに行った、和食な私の店とはまるで違う洋食屋さんで、バターの香り漂うオムライスが食べたくなると行くのだ。

ぽかぽかの陽気はのんびり出掛けるにはもってこい。

着いたのは午後3時少し前、ピークも過ぎて店内はゆったりとしていた、忙しくないのでオムライスを運んできたついでに友人は私のテーブルの対面に腰掛けて少し話をしていった。

その時聞いたのだが隣の会社で飼われていた猫が死んでしまったらしい、「コイモ」という名の猫である、コイモ=小さな芋という意味らしい、コイモはよく昼間に友人の店の通用口にあるセメント地のスペースに横になっていることが多く、時々蒸した鶏の胸肉やソテーした白身魚を少しだけ与えて可愛がっていたという。

今月に入って姿を見せなくなり、それが数日続いたところで隣の会社の人に「最近猫を見掛けませんね」と話をするとコイモは具合が悪くて部屋で寝ていると教えてくれたそうだ、動物病院で診て貰って幾分回復し、再び友人の店に姿を見せたのが一昨日のバレンタインデー、なんと、通用口が開いていても今までは一度たりとも入って来たことなどなかったのに、ふと気付けば厨房の中にまで入ってきてこちらを見上げながら周りの匂いをクンクンと嗅いでいたという。

猫好きな友人は「よかったねー」と撫でてコイモが元気になったのを喜びつつも、厨房に猫が入ってきては衛生上問題なので片手で腹を抱えて表に出したそうだ。

うん、確かにその通りだ、足が汚れているだろうし、毛が抜けるので不衛生だ。

そして今日、隣の会社の人からコイモが死んだと知らされたという、昨日の朝は部屋で毛づくろいしていたのだが、横になったまま夕方になっても起きないので触ってみると冷たく硬くなっていたというではないか。

友人は、今まで厨房の入って来たりせずに外から中をじっと見ていたことはしばしばあるけれど、一昨日に急に入って来たのは最後の挨拶に来たのではないかと今になってみればそう思えると言っていた。

なるほど、そういうものかもしれない、猫なりの「今までありがとう」であり「さようなら」を伝えるラストランか。

私も一度だけコイモの姿を見た記憶がある、通用口に通じる通路を歩いていた黄色い(オレンジ?)毛並みの猫で、足の先は毛が白いので靴下を履いているようだった、コイモはまだ5歳だったらしい、一般的な飼い猫の寿命よりもずっと短い、何の病気だったのかは不明である。