2016年10月21日金曜日

「器物損壊罪だよね」

日頃から掃除も洗濯もちまちまとこなしていると何もすることがない日がポツリと出てくる、休日の今日がそうだ、どこかへ出掛けようかとも思ったが好きな海外ドラマを観てはゴロゴロ過ごしているうちになんとなく昼が過ぎて行った。

さあ、夕方だ、晩メシは何にしようかと考えたが、今日はこのまま思い切り怠けていようと手間を省いて外で食った、日暮れが早くなり外はぼんやりとした明るさでしかない、食べ終わって傘を手に帰ろうとしたが今日は金曜日、「花金」は死語なのだとは思うが、時刻は多くいるであろう今週の仕事を終えた人たちが休前日で浮かれている花の金曜日の日暮れ時ではないか。

私も飲みに行くことにした、歩いて数分で天神に着き、少し散歩でもした後に10分ほど歩けば馴染みの店の幾店かの何れかに到着する、思い立ってから移動するにもその程度の距離だった、開店の早い店なら当日1号の客かもしれない。

散歩が長めだったので実際には当日2号の客となった、ほどなく3号から5号がやって来てカウンターが狭くなっていった、皆がそれぞれ顔なじみである。

1時間ほどで6号がやって来た、4号が知り合いらしく「あ、細かいおじさん、こんばんは」と笑って挨拶をしていた、「おじさん」とは言うが4号本人よりは若そうである、まあ、それはともかく細かいおじさんとは何だろう?

マスターも何のことかと思って「細かいって?」と訊くと先月別の店でカラオケ(竹内まりやの「セプテンバー」)を歌い終わった時に「器物損壊罪だよね」と言われて大いにシラけた日があったという。

歌詞の「借りていたディクショナリー明日返すわ、ラブという言葉だけ切り抜いた跡、それがグッド・バイ」という部分、他人から借りたものを故意に汚したり傷つけたりするのは器物損壊罪だという指摘に、「もー、ただの歌だからいいの!」で終わったそうだ。

聞いていて可笑しくなって笑った。

確か松任谷由実も「中央フリーウェイ」の歌詞「中央フリーウェイ、調布基地を追い越し山に向かって行けば・・・」という部分を加山雄三に「『追い越す』というのは同じ方向へ移動しているものが対象」だと言われ「理詰めで指摘された」とラジオの深夜番組の中で話をしていたことがある、なるほどと思いこの時も笑った。

まあ、どちらも野暮な指摘かもしれないが、そう反応できるくらい歌の歌詞をもれなく理解しようと聞いているのであろう、6号が4号に「今日は歌わないの?」と訊くと「今日は話して飲みたいの」と隣同士並んで飲んでいた。

私はその後20分ほどで店を出た、明日が休みならもっと飲んでいただろう、2軒目に行ったかもしれない、雨はほとんど止んでいて傘は畳んだまま、周辺の飲み屋や居酒屋に入って行く人たちの姿が目立っていた。

どの店も賑わいのピークを迎える前の午後8時半頃のことである。