2018年6月5日火曜日

汚れをバリアにする菌

1ヶ月近く前のことだが福島県の病院で器具の洗浄不良から耐性菌の院内感染事故が起きて2人が亡くなってしまった、薬剤がほとんど効かない耐性菌なので感染し発症すれば恐ろしいことになる。

なにせ感染症の際に当たり前のように使われている抗生物質などの薬が効かないので治癒は患者の体力任せとなってしまうからである、なので子供や高齢者といった元から体力のない人にとっては命にかかわる。

今日、「オートクレーブ」という言葉を知った、高圧蒸気滅菌器のことである、要するに圧力釜のようなものであり、洗浄後の医療器具を高圧高温下で殺菌を越えた滅菌処理をしてしまうものである、小型なものから大型のものまで規模の差はあれど病院などの医療現場では一般的に使われているもので特に珍しいものではないとのこと、全ての微生物を完全に殺せはしないらしいが効果と実績から信頼される滅菌方法であるのは間違いない。

だが、洗浄不良で器具に汚れが残っていると、その汚れの中に潜む菌などは鎧を纏うが如く汚れをバリアにして熱に抵抗するというではないか、私のような素人にはたとえ汚れが少し残っていようと汚れごと温度が上がれば中の菌は死ぬだろうと思うのだが現実はそう簡単ではないらしい、ううむ、そういうものなのか。

熱とは違って消毒薬などの場合はその成分が汚れの中に浸透できないので効果が落ちるのはよく理解できるけれど。

ちなみにオートクレーブ以外では酸化エチレンガスや過酸化水素を使う滅菌方法などもあるそうだ、単に滅菌処理といっても対象物の素材などによりいろいろ使い分けられている、知らなかった世界だが深くて広いなと思う。

それにしても耐性菌による院内感染か、どこの医療現場も頭が痛いだろう、遠く離れた場所の病院で起きたことだと安心してはいけない、これは決して対岸の火事ではない、どこであろうとこれから度々、そして突発的に起こるだろうなという気がする。