休日を利用して近場だが油山までドライブに出掛けた人たちがいる、ゲイではなく仕事上の付き合いの人だ、家族と一緒に行ったらしい、その途中で買ったという漬物を土産で私の仕事場まで持ってきてくれた、ありがたや。
夏日だったが暑いほどでもなかったが山の中腹まで来ると風がひんやりとして爽快だったらしい、蚊はそこそこいたが虫除けスプレーを用意していたので問題ではなかったという、ただ、顔の周囲をしつこく飛ぶ黒い虫がいたらしい、鬱陶しかったが刺されるようなことはなかったそうだ、何の虫だろう。
虫といえば腰の位置ほどの高さの幹に蝉の抜け殻を見つけたという、小学生の息子が触ろうとしたので止めたそうだ、理由は泥だらけで汚らしかったと言っていた、泥だらけの抜け殻か、それはニイニイゼミのものだ。
なぜニイニイゼミは幼虫時代に泥を纏うのだろう、他の蝉はすっきりときれいなのだが。
たとえは悪いが私はニイニイゼミの抜け殻を見ると抜け殻を模したキャラメルコーンを思い浮かべるのだ、キャラメルコーンはコーンパフの表面に甘いフレーバーをコーディングしているので少々デコボコしているではないか、ニイニイゼミの幼虫も泥を我が身にコーディングしている、まさしくああいった感じだ。
肝心の成虫は鳴いていたのかと訊けば分からなかったと言う、ニイニイゼミの鳴き声がどういったものなのかが分からないそうだ、そのあたりで連続した鳴き声をたてる虫がいなかったかと訊いたが気が付かなかったという。
いや、耳に聞こえてはいても意識の対象でないと気が付かないことがある、線路の近くに引っ越して来た人が最初の内は電車の音に敏感だったのに、慣れてしまうと特に意識することもなくなり音が届いていても気が付かないことがある、ニイニイゼミの鳴き声もそのあたりでずっと聞こえていたので逆に気が付かなかったのかもしれない、最初は鳴いていなくて途中から鳴き始めたのならば間違いなく気付くだろうけれど。
ニイニイゼミか、ということはほどなくクマゼミやアブラゼミが登場する、6月も後半に入った、夏本番もすぐそこである。