2018年6月16日土曜日

ありがたいことではあるけれど

久しぶりに飲みに行くと早い時間にもかかわらずカウンター席はほぼ埋まっていた、普段ならばやや入り口に近い席を選ぶのだが今夜はそんな余裕はない、なのでたったひとつ空いたところへ腰掛けた。

いつもと違う点がもうひとつ、客の年齢層がやや低いのだ、つまりは若い人たちが多かった、まあ、若いと言っても10代などはいない、せいぜい30代前半といったところか。

私はそんな30代前半であろうハーフパンツのメガネ君の右隣の席だった、太ってはいないが骨格がしっかりしていて更に右隣りの中年太りな御仁との間で少々窮屈だった、そんな両隣に軽く挨拶をして席に滑り込んでまずは米焼酎の水割りで一息。

マスターと話をしていると「○○君とは初めてだよね?」と先に書いた左隣りの若いメガネを紹介してきた、なんと、30代前半だと思っていたメガネ君は20代後半だった、これはフケ専だという本人が年齢を明かしたので間違いない。

ずっと昔に「若専は歳をとっても見た目がなんとなく若く、フケ専は実年齢よりも老けて見える」と某店の客が言っていたのがチラリと頭をよぎった、まあ、それは一部分を見てのその人なりの雑感ではあるのだが。

今夜はそんなフケ専のメガネ君と隣り合って結構な時間話を楽しんだ、ギョッとするほど話題がかけ離れているわけでもなく、口調が若すぎて疲れるようなこともなかった。

そして、滅多にないことだが私に好意を持っていてくれているのを感じた、マスターが初対面であるのを知っていながら「○○君とは初めてだよね?」とわざわざ紹介したのは私の年齢や体型などがメガネ君の好みに合致すると判断したのでくっつけを試みたのだろう。

そしたら読みが当たって先に書いた通り滅多にないことだが好意を持ってもらえた。

気に入ってもらえるのはありがたい、だが、世の中どうしてこうもうまくいかないのだろう、私は若い人とは話を楽しんだりはするのだがそれ以外では何も選ばないのだ、もちろん誘いもしない、私の好みは同年代か少し上だ。

今夜私が見つめたのはカウンターの反対側で既に出来上がっていた2人のうちの左側だ、七三の髪と穏やかそうな顔、そして体型に見合ったむっちりな手指をしたスーツ姿の中年男だ、可愛い、だが既に出来上がっている以上一切干渉しない。

その店では1時間ほど飲んだ、帰り際にメガネ君にありがとう(話の相手をしてくれてという意味)と言って席を立つと次はどこの店に行くのですかと訊かれた、なので私はもう家に帰るのだと答えた、酒があまり強くないのでハシゴは滅多にしないと本当のことを言った。

そう、私は酒が強くない、飲み屋にしろ居酒屋にしろ酒場の雰囲気は好きだが大抵の場合どこか1店に絞っていることが多い。

メガネ君も私も、誰かいい人に出会えるよう次回に期待である。