2017年10月1日日曜日

そんなものは通用しない

仕事が終わって待ち合わせの場所に到着したのが午後2時過ぎのこと、今日は日曜なので仕事が休みな友人と遅めの昼メシを外でとJR博多駅にほど近い場所で普段はあまり選ばぬ洋食屋に入ったのだった。

店の入口だけは知っていたが私は今まで一度も入ったことがない店で、友人が夕方のテレビ番組で見たらしく旨そうだったので行ってみたかったらしい、私は観ていないがNHKの朝ドラの影響もあるのかもしれない、だが、結論からいうとごく普通に家庭で作れるレベルでわざわざ外で食うものではなかった。

ハヤシライスはまあまあだったが、かにコロッケときのこハンバーグはデパートの地下でテイクアウトしたほうがもっと旨かっただろう。

味そのものではない点で良くなかったのが20代前半に見える若い女性店員だ、その店員は少し離れたテーブル席にいる顔馴染みの客であろう同年代の女性と談笑していたのだが、私の向かいに座る友人が水をくれと言ってもチラリとこちらを見て水を求めているのに気付いていながらなおも少し話を続け、やっとピッチャーを取りに行き、だがそこで一旦足を止めて再び背後の女性客と少し話をし、そしてやっとこちらへ向かったのだ、その2人は某商業ビル内にオープンしたらしい店の話をしている、声が大きいので嫌でも話が聞こえてくるのだ。

さっさとすればよいものを。

ムッとした友人の顔に気付いたのか「遅れちゃってごめんなさいね」と可愛くニッコリ笑って言ったのだ、男連中の中にはそういったものが通用する場合があるのだろう、だが私たちには20代女性の可愛さなどに何ら魅力など感じないので余計にイライラさせるだけとなった。

そう、そんなものは私たちには全く通用しないのだ、気持ち悪くさえある。

「呼ばれたら無駄話止めてさっさと来れませんかね?」と友人からグサリと言われた女性店員は「あ・・・あれ?」という引きつった表情で立ち尽くすばかり、慌ててやって来た店長が代わりに詫びた。

いまひとつな料理の味が一層落ちてしまった。

私の場合だと逆に世間一般では厳しさに晒される機会の多い男には甘い、サラリーマンやどこの営業員に店員、交通整理のおじさんなどにしろ「あ、すみません」と言われる状況があったとしてもほとんど問題にしないのだ、ゲイでない男連中が可愛い女性に甘いのと同じように、ゲイである私は男が相手だとつい甘くなってしまう、特に好みの中年男には。

つまり、私は普段から無意識にそういう目で人を見ている部分もあるということになる、自分のことながら苦笑ものだ。

洋食屋を出た後は電動歯ブラシを買おうとしている友人と東急ハンズへ、続いてヨドバシカメラまで、買ったのはパナソニックのドルツという品だった。

その後はJR博多駅構内で別れ、私は電車で自宅最寄り駅で降りて帰ったのだった、着ていた服に洋食屋の匂いが残っていた、洗濯機に放り込み、洗剤を投入しスタートボタンを押した。

洋食屋か、私が知っている中でまた行きたいなと思ったのは中央区薬院にあるお店くらいか、まあ、洋食屋にはそれほど行かぬので他店との詳しい比較はできないのだけれど。