2017年10月8日日曜日

今までどこにいたのだろう

晩メシのあとで甲斐路(かいじ)という品種のぶどうを食後のおやつにした、実から皮が剥がれないので皮ごと食うタイプとなる、「皮ごと」と言うと口の中でモサモサとして不味そうな印象を受けるかもしれぬが柔らかいので気にならない、そして皮を噛みしめた時がまた甘く美味なのだ、吐き出すのは種だけである。

そんな甲斐路をテレビを見ながら1粒食べ、2粒、そして3粒目を房からもいで口に入れようとした時に、吐き出した種の上をコバエがうろうろしているのを見付けた、気温が高いのでベランダを開け放していて、コバエは甲斐路の甘い香りに誘われてそこから入ってきたのだろう。

甲斐路の皮の上を歩かせたくないので丼に水を張り、その中へぶどうを沈めてそこから1粒ずつもいで残りを食った。

驚くなかれ嗅ぎつけて入って来るまでわずか3粒食う間だ、やって来るからにはどこか香りが届く場所にいたに違いない、どこにいたのだ、コバエの嗅覚の鋭さには驚かされる。

いや、コバエだけではない、調理しようと魚や肉を台所で下ごしらえしているとうっかり網戸まで開け放している窓からイエバエやニクバエといったコバエではないハエが入って来ることは珍しくない、私の部屋は4階だ、それなりの高さがあるのだが匂いを嗅ぎつけてピンポイントでやって来る。

ほら、そのハエも今までどこにいたのだ。

コバエは腐肉や糞便に触れないのでまだマシだが、大きなハエはそうはいかない、部屋に入ってきたら直ちに追い出すか殺すかのどちらかである。

真夏と違って涼しくはなったけれど、食中毒の多さは夏に劣らないどころかやや多いのではないか、よそ見をしているうちに憎きハエが美味しい料理の上を歩き回るなど想像しただけで腹が痛くなる。

食中毒で意外と多いのが生ものではないサラダ類、ポテトサラダにマカロニサラダなど、温度といい水分といい栄養分といい菌の繁殖にはもってこいの環境なのだろう、埼玉や群馬の惣菜店でポテトサラダが原因の直中毒が起きて全店閉鎖に至ったニュースを知っている人は多いだろう。

料理は作りおきはせずに、できたてを食すのが安心であるのはいうまでもないが、保存するなら急速に冷やすなどの工夫があったほうが良いのではないか、また、手指の洗浄が大事なのは言うまでもないが、よそ見中のハエにも充分ご注意を。>皆様