2011年7月21日木曜日

宴の後

普段、ドラマと言えばアメリカドラマばかりなのだ、昔は国内ドラマにも面白いものがたくさんあったのだが今は初回で味見をしたら続きはもう見ていない、寂しい限りである。

だが久々に面白いドラマを見つけて毎話欠かさず見ていたものがあった、過去形なのは最終話を見終えたからだ。

録画していた火曜の午後10時・・・より少し遅れて放送されていたNHKのドラマ「下流の宴」、そのの最終話を見終えた、NHKのこの時間帯のものを見逃さぬよう録画しているのは珍しいこと。

このシリーズは全8話にて構成されていた。

第1話から物語の要となる一家の息子の無気力さと覇気の無さに失笑と苦笑を重ねつつ、若干いらつきながらも目を離せず毎回欠かすことなく見続けられたのが自分でも不思議。

息子を挟んで彼女と母親の綱引きも越えるに越えられぬ世代と価値見の違いのちぐはぐさが可笑しくも息苦しく、そして身近にゴロゴロと転がっていそうで妙にリアル。

ぼそっと呟くようなセリフに重い意味が込められていることが多く、おのずと一言も逃さぬようにと見ていた。

退屈な2時間ドラマみたく結末まで楽に見通せるものとは違って、いつもこちらが予想したのとは少し違った展開で話が進んでゆく面白さは、きっと原作が素数のような林真理子の脳内から生まれた話であるのと、それを匂いまで理解していそうな優れた脚本家の力量のお陰だったのではなかろうか。

特に結末は「窓から皿を投げたら皿が割れた」のではなく「地面にヒビが入りました」というくらい意外だった、個人的には。

母親役の黒木瞳も思った以上にぴったりで、適役だったと思う。

再放送もあるだろうし、オンデマンドで見る人だっていそうなのでネタバレを避けて物語の詳しい内容は伏せますが。

故にドラマを見た人はこの日記に「ふふん」と思い、そうでない人は何が何やら解らないという状態に違いない。

もしいつか再放送の機会が巡ってくれば、まず1話目だけでもいかがだろうか、何か「おや?」と思うところがあれば続く2話目も是非どうぞ。