仕事場に設置している時計は小型のシンプルなアナログ表示の電波時計、アナログ表示を選んだのは時間の流れが掴みやすく、電波時計にしたのは言わずもがな非常に正確であるから。
買ったのは天神の電器店、電波時計を探していると言うとこれはどうですかと2万円もするのを薦めてきた、毎正時に人形が出てきてくれるというのだ、そして鐘の音が鳴るそうで。
シンプルなものを探しているので断った、結局今使っている数千円のものしたが満足している。
思ったよりも電池の持ちも良さそうだし。
その時計は日々微塵の誤差もなく正午を告げてくれる、タイムカードから開店の時計、パートさんの腕時計の誤差修正用にと仕事場の全ての時刻の標準になっている。
昔なら電話で117かテレビの時報が最も正確な基準だったけれど。
ふと思った、日本には電波時計に正しく時刻を知らせる基準となる電波を長波を使って2ヶ所から吹き流している、ひとつは「長波標準電波施設 はがね山標準電波送信所」 で佐賀と福岡の県境に羽金山(はがねやま)山頂から、もうひとつは「長波標準電波施設 おおたかどや山標準電波送信所」 で福島県にある大鷹鳥谷山(おおたかどややま)の山頂から。
九州はもちろんのこと関東あたりまでをカバーする羽金山からの60KHzのそれが受信できるならば今も正確に時を刻んでいるはずだが、それが難しい更に遠くや奥まった場所では内蔵クォーツに切り替わって動作しているはず、今はもうそれなりのズレが生じているのではなかろうか。
福島の施設が避難区域内にあり、現在電波が停波中なので。
震災と原発被害のせいでいろんなものが止まったままなのだと思う、離れた九州ですら影響があるくらいなので、当の被災地では何もできない状態と言ってもいい程なのだろう、いろんな不自由が重なると、いったいどれから解決を試みてよいのかすらわからなくなることすらある、さぞかしストレスだろう。
それら電波時計が再び正しい時刻を取り戻すまであとどれくらいかかるものか、いろんな意味を含めて早くそういう日が戻って欲しいなと滑るような秒針を仕事場で見ながらそう思う。