今朝、仕事が一段落して一息ついている時に業者の人と話をしていたら「俺が仕事終わって家に帰る頃に子供が目を覚まして起きてくる」と言い、その小学生の子供が「夜遅くまでゲームしている、夏休みなのでだらけている」と続ける。
「朝のラジオ体操は?」と訊けば、「それはもうずっとやっていない(町内で)」とのこと。
子供の数が減った今でもてっきり続いているのだと思っていたら、もうやめてしまった所も多いようで。
ずっと昔の夏休みの朝、寝惚けたままラジオ体操に出てきて小さな用紙にハンコを貰っていた自分の小学生当時を思い出す、町内でも何ヶ所かに分けてでないと無理なほど近所に子供が多かった頃のこと。
たまに夜更しして出て来ない子には「ナマズさんが出てくるぞ」と近所の同年代の子らが脅かすこともあった。
行儀が悪かったり、悪戯をしたり、親の言いつけを守らない子には夜に鰯町(いわしまち)の川岸から這い上がってきたナマズの化物に祟られるという子供の間だけの怖い話、その姿は悪い子にしか見えず、見てしまうと熱が出て数日寝込むのだと言う。
斜向いのお宅の子犬に絵の具で落書きをした町内の子は、翌日に夏風邪らしく寝込んだ際に「犬に悪戯をしたから」と理由を口にし、夜に窓から自分を覗き込むナマズさんの姿を見たと言い、そう信じていた。
誰が最初に思いついたのかも分からぬ話だけど子供を恐怖心で縛るには効果満点だった。
当時ですら既に無い町名「鰯町」を使っているところからナマズさんの話は更に相当古いものだと思う、面白いことに隣町の子は同じ話を知っているけれど、そのまた隣町ではほとんど知られていないという点。
今だからこそ那珂川の汽水域から這い上がり、世の不届き者を睨みつけてくれれば・・・と思うこともある。
先にも書いた通り「鰯町」という名の町はもう存在しない、那珂川の河口近くの東側で、今の大黒橋の袂からの須崎町で、那珂川に面していた狭い町だったらしい。
その町名を知る人はもうほとんどいないでしょうけど。