2010年3月25日木曜日
花とおじさん
今日は普段よりずっと早めの休憩時間をいつものスタバ・・・ではなくペットボトルのお茶を片手に近所の散歩、少しだけ遠くまで歩いてきた。
あちこちに白だ黄色だと花が咲いている、いや、もう花だけではない、柔らかそうな新緑で頭より少し高い位置が段々と埋まり始めている。
日差しはとうに強くなって、うっかりしていると日焼けしてしまう、皮膚に悪いのは知っていて蓄積する毒のようだと言われてはいても、ひとときの散歩の間では特に気にはしない、それより日差しを受けることの心地良さのほうがずっと勝ってしまうせいか。
通りがかった某料亭、通りから垣根越しにほぼ満開の桜が見えている、その遥か上の青空と一緒に撮りたくなって入り口に少しだけお邪魔して上空をパチリ、目線を下へ戻せば馬酔木の花も重そうなくらい咲いていたのでおまけの1枚を狙う、が、なかなか位置が決まらない、携帯の液晶が明るい屋外に負けて確認し辛かったせいだ。
もうちょっと右か・・・、下からか・・・と迷って撮ったところへ後ろから「おじさん何撮ってるんですかー?」と若い女性のものだとすぐに判る声が聞こえる、振り向けば石組の上に20歳ほどの2人が座っているではないか。
「花」と答えれば「あー、きれいですよね」と言う、この年代によくあるおっとりとした口調、逆になぜそんな所でパンを食うのだとモグモグと口を動かす2人に訊けば「お昼どこで食べようかなって思ってたら桜がキレイだったんでちょっと花見しようかってことになったんですよー」。
花見か、よその料亭の敷地内で窓からチラチラ見に来る賄いさんを気に留めることもなく桜を見上げてパンを食うのか・・・、そう思うと可笑しくなって笑ってしまった、いや、人ごとではない、私も携帯片手に花の画像を狙って入って来た輩に過ぎない。
仕事場へ戻るのに福岡城址を通り抜けようとした途中で、前から何故かこの時期で真っ黒に日焼けした人も混じる坊主頭の数人が敷物片手にウロウロしている。
花見がてら、皆でのんびり過ごすのはさぞ楽しかろう、暑くもなく寒くもなくそんなお昼がぴったりの日だった。