2012年9月30日日曜日

無言の”こんにちは”

しっかりとした雨脚の日曜日、それでも地下を通れば濡れずにあちこち移動可能な天神へと正午前から地下鉄で出掛けた、目的は毎年秋の恒例イベントとなった「ミュージックシティ天神」、その2日目なのである。

あちこちでいろんな演目を楽しめるけれど、今日の私のお目当ては大丸福岡天神店のパサージュ広場、ここなら雨でも大丈夫で、しかもジャズの生演奏ばかりなのが楽しみ。

それのみを目的でやって来た人は少なそうではあるが買い物客が足を止めて見ているので広場は混んでいた、その多くはよその会場よりも年齢層はずっと上だったであろうと思う。

私は大丸本館の外貨両替カウンターがある出入口あたりで演奏をずっと見ていた、途中、地階へ下りて飲み物を買い、そしてまた同じ場所へ戻って来た。

午後2時頃だっただろうか、国体道路側から杖をついて演奏の続くパサージュ広場を通り抜けて市庁舎側へ行こうとする人がやって来た、・・・宛先エラーの知人(2012年6月14日のブログ)ではないか(!)、隣には女性がいる、歳がそう離れている風ではなく、目元の感じが大変良く似ているのでお姉さんか妹さんなのだと直感する、・・・たぶん間違ってはいないだろう。

知人は直ぐ目の前で私に気付いたのだった、ハッとした感じだった、一旦足を止めてコクリと頷くように頭を下げ、そしてまた歩き出して通り過ぎようとした、私も同じように頭を下げた。

連れの女性はこちらを見ている、少し離れた所で知人に何かを言い、そしてまたこちらをチラリと振り返る。

「知ってる人なの?」とでも訊いていたのではなかろうか。

杖をついた知人に気付いて通れるように場所を空けてくれた人たちが、また知人が通った跡をカーテンを閉じるように埋めていった、それに遮られて遠ざかる2人はもう見えなくなった、こちらからは連絡をとる術は無いけれど、今日をきっかけにいつか連絡が来ればいいなと思う。

さて、その後は別の知人にも出会った、こちらはたぶんデート中だったようなので声は掛けなかった、挨拶はにっこり笑って頭をコクリ、お連れさんは菓子屋の袋を2種類提げていた、その知人は甘党なのだが、お連れさんもきっと甘党さんなのだろう。

私がそこに居たのは午後3時くらいまでだった、地下を通って書店へ行って面白そうな文庫本を探し(見つからなかったので何も買わなかったけれど)、また別のビルで少しだけ買い物をし、来た時と同じように地下鉄でまた帰ったのである。