2015年5月5日火曜日

カミングアウトと父親

雨の心配も無くなった午後、出掛ける道すがらすっかり廃れた商店街を通り抜けようとした、昔はいろんな店が商いをしていて人も多かったが、近くに大型の商業施設やスーパーが数を増す毎に人は減り、おのずと店も減り、そしてマンションが増えていった場所である。

そんな中で古参の八百屋は営業していた。

そこでは時々買い物をする、今日は春キャベツが安かったのでそれを1玉と生姜を買った、「にんにくを胡麻油で炒めて香りが出たら手で雑にちぎった春キャベツを軽く火が通るくらいにすると美味しいよ」とその店の奥さんが教えてくれた。

味付けはシンプルに塩コショウが一番だと言う。

最初にその店を利用したのは三十路の始め頃だった、近所にはライバルの八百屋が数軒あった時代のことである、競合するようなスーパーもなく、商店街は付近で暮らす人たちの食料庫であり情報交換の場だった。

時は進んで四十路に入った頃のこと、その店のご主人が「いつも買いに来てくれるから今日はこれ奥さんにおまけ」と袋の中に宮崎産のしいたけを入れてくれたことがある、「私は独身ですよ、おまけ悪いからいいです」と返そうとすると「独身でしたか、勿体ない(独身なのが)、しいたけ食べてよ」と結局くれたのである。

ご主人さんは私の名を訊いた、「○○と言います」と答えると「○○さん、しいたけ食べてよ」と笑って言った。

私がそれなりの年代だったので、その他大勢がそうであるように奥さんがいて子供がいて・・・という家庭持ちだと思ったのだろう。

そのご主人の後ろから奥さんが「いらないこと言わなくていいから」と窘めて私には目で詫びた、私はなんにも気にしなかったけど。

その頃だろうか、店には店員さんが1人増えた、そのご夫婦の息子さんだ、主にバイクでの配達が多かったようだが、時には店に立たせ「うちの息子です、どうぞよろしくお願いします」とご主人さんが馴染み客に挨拶をしていたのを覚えている。

私にもそう言って息子さんを紹介した。

だが、私は初対面ではなくとうに知っていたのである、その息子さんはゲイの集まる店のお客さんだった、私と同じくそうなのだ、週末に行けばカウンターの列のどこかに居合わせることも多くあり、年代は若干違うがそんな差など意識せず、ただ皆と一緒に飲みながら気負わぬ話をして笑える仲間だったのだ。

それからしばらくの後、いつもの店に行くとその息子さんが私を待っていた、真顔で「謝らなくてはならないことがあります」と言ってきたのだ、なにごとだと訊けば、ついうっかり私もゲイであることを両親に明かしてしまったのだと言う。

早く結婚しろ、見合いはどうだと何度も言う父親=八百屋のご主人がうるさくて自分のことをカミングアウトしたら大騒ぎになったらしい、怒鳴られ、罵られ、「そんな奴らにはまともな奴などいないのだぞ!」と言われ、つい「まともな人はいっぱいいるよ! ○○さん(私のこと)だってまともじゃないか!」と反論してしまったのだという。

まともな人だと言ってもらえるのは嬉しいが・・・なるほど、そういうことか。

実際のところ、私がそうであることを知られても特にどうということはなかった、私の家族だって知っている、同級生だって知っている、進んで「私はゲイだ」と言い歩くことはしないが、知られたからと言って困りはしないのだ、なのでその息子さんにも気にするなとは言ったのだが本人はそういうわけにはいかなかったようだ。

息子さんは店の手伝いを辞め、いつもの飲み屋に来ることもなくなった、市内で働いているということは八百屋の奥さんから聞いてはいたけれど。

八百屋のご主人はというと、その件以来私が買いに行っても話すこともなくなり、そもそも接客を奥さんに代わってしまうので接点がまるで無くなった、小声で奥さんが「ごめんなさいね・・・」というのが逆に気の毒だったくらいである。

個人的に思うのは、父親の場合、息子がゲイだとカミングアウトしてきたら相当ショック受けるものなのだろうと感じている、その点、母親は自分の理想とは違っていても認めて受け入れてしまうのだとも思っている、母親のほうが腰が据わっているのではないだろうか。

うちもそうだった、父親は烈火のごとく憤って大変だったが母親は驚きはしたものの受け入れてくれた、そこには男と女の考え方の違いのようなものがあるのだろう。

今日のその商店街の八百屋さん、教えて貰った通りにキャベツを炒めてみようと思っている私は既に五十路を数えた、そこへ「近々店を閉めます、ありがとうございました」と奥さんがニッコリしながらおじぎをした、蓄えと年金で生活するのだと言う。

ご主人と息子さんはどうなったのだろう、たぶん疎遠のままではなかろうか、この先いったいどうなるのやら、それを知る術ももう無くなるのだ。

この商店街はいよいよ寂しくなってしまう。

ご主人さんと息子さん、今はまだ蟠りがあっていろいろとまだ無理なのかもしれない、だけど、いつかはお互い解り合える日が来ればいいなと思うのだ。

2015年5月4日月曜日

アプリ選びの楽しみ

今のスマホを使い始めて1年以上が経つ、シャープ製のAndroid端末だ、ネットで新品を格安で見つけて購入、最初からMVNO(OCNモバイルONE)との組み合わせで何ら不満はない。

それ以前はフィーチャーフォンだけだった・・・わけではない、WindowsMobile端末を使っていたのである、WILLCOM時代からのアドエス(WS011SH)だ、「高性能な次期端末が登場するだろう」と楽しみに待ち続けて約3年近く使用した。

壊れてしまった上に、結局高性能な次期端末も登場しなかったのでWILLCOMは解約した。

スマホを使う楽しみは自分好みにカスタマイズできる点だと思っている、アプリ選びもそのひとつ、当時はメーラー選びにかなりの時間を費やした、nPOPかQMAILで散々迷った挙句にシンプルさに徹した前者を選んだのである。

そして今やAndroid、当初から長らく使い続けたメーラーは高性能なK-9だったが、またもや比較にかなりの時間を費やして二者択一の末にCloudMagicに変えた。

どちらもIMAPに対応していてGmailもYahooMailも便利に使えるので不満はなかったのだが、OCNのメールもリアルタイムで受信したいと欲が出て、それならばActiveSync機能が使えないと・・・となった次第である。

CloudMagicを使い始めて1週間ほどになる、プッシュの失敗などは無い、バッテリーが早く減るということもない、K-9とは使い勝手がまるで違うので戸惑っている部分もあるが、それは放っておけばすぐに慣れるだろう。

面倒なようで、アプリ選びは楽しい。

迷ったといえばブラウザもそうだった、標準ブラウザの他に何れかを入れておきたくなってOPERAとSleipnirで迷って後者を選択、メッセージアプリではViberかTelegramでやはり後者。

LINEは使わない。

私のスマホには誰もがインストールしていそうなアプリというのは少ないだろうと思う、でもこれが私なりのアプリのカスタマイズ、とても気に入っているし、それゆえに使いやすいのである。

「画面に並ぶアプリのアイコンを見れば持ち主が男か女かぐらいの判別はできる」と某SNSの日記で知人が書いていた、なるほど、そういうものかもしれない。

もし、私がこのスマホを落としでもして誰かが拾ってくれたとする、ちょっとホーム画面なりを覗いて、果たしてどんな持ち主像を思い描くのだろう、少し興味はある。

もちろん落としたフリの置き去りで実験などはしないけれど。

いや、それ以前にロックを掛けているのでホーム画面のアイコン一覧まで進めないか・・・。

2015年5月3日日曜日

ワープした数分と新シーズン


早朝前の深夜帯から降り始めた雨は思ったよりもしっかりしたもので、しかも昼になっても降り止まない、福岡市の中心部はこの雨でも博多どんたくで賑わっているだろうか。

雨の人混みほど疲れるものはないので今日は出掛けず、他にはこれといった買い物も無く、こんな日はかなりの数が溜まっている録画済みの番組を観ることにした、このまま溜め込むとHDDを圧迫しそうだし。

録画済みで観ていないのはDlifeの「リベンジ」に「X-ファイル」、「エースをねらえ!」(懐かしい)、NHKの「ドキュメント72時間」に「世界ネコ歩きスペシャル」、そして映画「雨月物語」。

昼前から休憩を挟んで観始める、午後に「世界ネコ歩きスペシャル」を見ていると20分を過ぎる頃の猫とおばあさんのシーン、そのあたりから画面にノイズが目立ち始める、次第にギザギザで酷くなり、モザイクっぽさが強くなったところで画面が止まり番組が数分ワープした。

再生再開時のシーンは話の繋がりが不自然なあたりからだった。

原因はただひとつ、雨だ。

そう、この日は結構な雨脚で、閉めきった窓の外の雨音がザーッと聞こえるほどだったのだのだ、そうか、あの時間帯の録画だったのか。

梅雨時や激しい夕立などで年に何度か起きるBSの降雨障害、雨の降り方もそんな季節になったものだと思う。

結局、映画まで観終えることはできなかった、さすがにトータルで5時間近くというのには少々疲れてしまったので、映画はまた明日か明後日にでも観ることにした。

Dlifeから録画済みの番組の合間に予告編が入っていた、「ダメージ」の新シーズンが始まるというお知らせだった。

含みを持たせた思わせぶりな展開、そして、物語を今現在と、そこに至る過程のしばらく前とを切り替えながら見せつつ、結局は過去の展開は現在に追いついた時点で収束し結末を迎えるという独特な作りは毎シーズンとも良くできていると思う。

新シーズンの「4」も同じ作りだろうか、それも楽しみ。

このドラマの秀逸さはキャストにもよると思う、凄腕女性弁護士”パティ・ヒューズ”を演じるグレン・クローズ、そのパティの元部下”エレン・パーソンズ”を演じるローズ・バーンがハマリ役なのだ。

特にローズ・バーン、男勝りなアクションバリバリのクールな女というわけでも、魔性の女チックな妖しい美女でもない、そこが現実味に溢れていて時に生々しくてとても良いのだ。

過去のシーズンを知らなくても楽しめるのではなかろうか、興味があればまず第1話で味見などを。>皆様

2015年5月2日土曜日

ローソンのドーナツ


「セブンイレブンのドーナツが意外と美味しいらしい」・・・。

昨年だったかネットで見た話だった、関西あたりで売られていただけだったが、気がつけば福岡でも売られているらしい、おや、いつの間に・・・。

食べてみようかと思ったけれど、今日の行動範囲にセブンイレブンはあるのだが車の多い反対車線側なので止めておいた、またにしよう。

・・・だが頭に浮かんだドーナツはなかなか消えてくれない、そこでローソンに寄ってみた、セブンイレブンに負けじと販売開始したというニュースをネットで見ていたからである、ただし、どの店でも取り扱いがあるのかは不明、なので入りやすい場所で確認してみた、場所は福岡空港に近い東区の二又瀬。

あった、ちゃんと販売されているではないか、ほほう。

試しに買ったのはオールドファッション(チョコ)とハワイアンドーナツ(プレーン)、先日、同じように販売開始したというファミリーマートのドーナツを買ってがっかりしていたのでコンビニのものは正直期待はしていなかった。

だが、食べてみるとこれが意外と美味しいのだ、オールドファッションはガチガチ過ぎず、ポロポロ過ぎず、甘過ぎずでちょうど良い感じ、チョコも出しゃばらずに口どけも悪くない。

ハワイアンドーナツは揚げパンのような感じで中には何も入っていない、だが生地に甘い香りがあり、しっとりふわふわでオールドファッションよりもこちらのほうが好みだった、プレーンシュガーがついてくるので食べる直前に好みに合わせて好きな量をかけられるのも良し。

・・・かけ忘れて手元に残ってしまったが。

ちょっとしたおやつとしてコーヒー+ドーナツで200円ほど、これは手頃だと思う、独りで一息入れたい時にはミスドやマックではなくこちらのほうが便利かもしれない。

食べ終わって気がついた、画像を残しておけばよかった、食べた後だったので使い忘れのプレーンシュガーをパチリ。

登場して間もないので味については今後改良されてゆくはず、コンビニ業界のそういった点は凄いものがありますから。

ほら、おでんが登場した時もそうだった、「なんだか薬品臭い」と不評だったおでんを改良に改良を重ねて今ではちゃんと食せる美味しい定番に育ててしまった、出汁も具材も。

凄いなと思う、ドーナツももっと美味しくなるのだろう、種類も増えるかな、地域限定のものも登場するらしい、甘いもの好きな人には楽しみのはず。

2015年5月1日金曜日

解せぬ激昂

明け方に耳元を飛ぶ蚊の羽音がうるさくて目が覚めた、実は先立って膝の上のあたりを刺されて痒かったのだ、なので眠りが浅く羽音のしつこさに眠気も完全に覚めた。

もうそんな季節なのである。

蚊に刺されやすいので対策は必須、と言っても電子蚊取り器を用意するだけなのだが。

今日は仕事帰りに食料品と電子蚊取り器の詰め替えを買いにいつもとは違うスーパーに行った。

随分と混んでいて駐車場は満車で、数ヶ所に分散している誘導員さんが忙しそうだった。

欲しいものをカートに乗せてレジの列に並んだ、隣のレジからぶつぶつと独り言が聞こえるので見てみるとスエットの上下を着た小太りな女性が清算中、その女性の支払いは水色のカード=WAON、読み取り機に乗せると聞き慣れた「ワオン!」・・・ではなく変な音がする、残高不足だったのだ。

私はWAONの残高不足時の音を初めて聞いたような気がする。

レジの店員が「御後、○円お願いします」と言うと、何が気に障ったのか「じゃあチャージしないさいよ! ほらっ!」とお札を店員の胸元に投げつけたのである、驚く店員と周りの客、そして私。

女は「なにこの店!?」と大声をあげる、店長らしき人が飛んできて女性をなだめて残りの金額をなんとか清算させて少し離れた場所へと促す、女性はクレームをつけ、最後は「こんな店もう来ないから!」と捨てゼリフ。

支払い待ちで次の番だった客(おばさん)がレジの店員に「大変だったわね」と慰めていた、いったい何をどう解釈すればあんな感じで激昂できるのだ、まったく理解できない。

今日行ったスーパーを「あの店は安いわよ」と教えてくれたのはうちの近所のおばさん、以前に「買った肉をレジを出たとこのテーブル(サッカー台のこと)で全部ビニール袋に移し替えてトレーはそのままごみ箱に捨てている女がいた」と話してくれたことがある。

その時の女性は別の日に弁当でも買ったのか割り箸を10膳くらいくれと要求し、だけど2膳しか渡してもらえずに大声でクレームをつけていたことがあるらしい。

なんとなく、その女性の特徴が今日のスエットの上下の女性と被る気がするのだが・・・、まあ、似たような別人なのだろうけど。

確かに世の中いろんな人がいる、思いがけぬ出来事に今日のレジの店員さんはドッと疲れただろう。